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【そば職人、経営を学ぶ 第八回】商売の鉄則

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さぁ今日は「商売の鉄則」ということでいよいよそば職人の章も最終回となりました。今日の講座では「商売の鉄則」をもう一度振り返っていきましょう。

仮説と検証を行う

早速漫画に進みます。
「まずはメニューから変えないとな」と洋介さんが悩んでいます。「ここら辺はカフェもないしモーニングをやってる店もない」。つまり立地上そういった "競合がない" 状態です。このため「そば朝食なんてのもありかもしれないな」と言っています。ただ「そばの仕込みが大変なので、出汁カレーといってカレーでも出すか」と考えているようです。
こういった仮説を立てることがとても重要で、そんな頼もしい洋介さんを見て、じっちゃんは笑ってニコニコしています。

「商売には必ずうまくいく方法」なんてありません。絶対にないです。ではどうするか?「大きな理想に対して小さく仮説検証を重ねたら、結果と経験が一つ一つ積み上がっていく」と言っていますね。その際に「 "顧客目線" と "利益の数字管理" さえ忘れなければ、あとは仮説と実行を繰り返すのみだ」というところで回想が終わっています。

失敗を糧にする

そして記者の方が「メニューや事業のアイデアはどこから思いつくんでしょう?」「がっつりしてるのに、さっぱり食べれる肉そば。蕎麦屋なのにモーニングやドライブスルーがあるのも新しいですよね」とインタビューしていますね。
これらは直ぐに思いついた訳ではありません。「そば粉ピッツァはムダが多かったし、ガレットチップスは思ったより不評だったし」と洋介さんは失敗談を語っています。これが重要なのです。

よく成功事例などがありますが、そこだけ切り取って成功したように見えるのです。しかしその裏には本当に多くの失敗事例があるものです。その失敗事例を踏まえて「今回失敗したけれどこういったところが良かった。いや...こういったところが改善する点であるよな」という検証を経て、また新しいことをやっていく。
この "繰り返し" を行わないと、失敗ばっかりになってしまいますし、それが諦めてしまう原因にもなります。

洋介さんも言ってますね。「少ない成功例を拾い上げて、地道にリピーターを増やしていったから今があるんだ」と。
この成功例を拾い上げるには、ちょっとコツがあるのですが、それは最後にお伝えします。

集客の費用対効果を高める

あと「折り込みチラシのメニューは毎回こだわってるな」と。
ここ、覚えていますか? 利益のところでやりましたが "費用対効果" を高めていかなければいけません。そのために、折込チラシとメニューは毎回こだわっているということですね。

まさに "チラシで集客を図る" わけですから、費用として10万円かけて、10万円の売り上げしかなかったら意味がないですよね。
だから10万円の費用をかけたら、せめて50万円以上の売り上げにつながるような、そういった広告を出していく。でないとこれは "コストに見合わない広告" になってしまいます。

こういった検証の繰り返しも大事です。今回この広告がうまくいったなとか、この広告ダメだったけどなんでだろう? と考えていき、どんどんとお客様を増やしていくような広告を作ることがポイントとなります。

そして洋介さんが「全国チェーン展開するために、必死でお客さんと数字とにらめっこしてきたんだ」「定番メニューもできて固定ファンもついている。これからもっとでっかくなるからお楽しみに」ということで、じっちゃんに最後語って漫画は終わっております。

数字で分析する

では解説に進んでまいりましょう。
まず「仮説検証の重要性」ですね。失敗を成功の母にするために何をするか?
・数字で記録をとる
"費用減・売上増は記録が教えてくれる" ・・・数字はほとんどブレがありません。必ず結果として何かしら現れます。その結果には何か原因・理由があります。だからこそ数字をしっかり記録していくというのは重要なのです。

"施策の成功と失敗は数字が教えてくれる" ・・・数字が悪ければ何かが悪かった、数字がよければ何かが良かったということです。

・小さく失敗して大きく成功する。
私も色々な事業をやっては失敗したり、成功したりすることもあるのですが、そこでもやはり "小さく失敗する" というのはとても重要です。ある程度進んでから、もう引ける状態にないところで失敗してしまうと、非常に怖いことになります。

だからこそ "スモールスタートで反応を見る" ・・・経営戦略のどこかの章でやりましたが "創発戦略" と言います。最初は大まかに計画を立てて、やりながら修正を加えていく。この創発戦略は今の時代にとても合っていますので、ガチガチに計画を固めずに、まず仮説を立てて実行してみてから修正を加える。そういった戦略の立て方をぜひやってみてください。

"評判が良かったら大きく展開する" ・・・ "創発戦略" または "スモールスタートアップ" の特徴です。やってみて評判がよければ大きくする。最初は小さくやっていくというのは "リスクを下げる" といった効果もありますので、ぜひトライしてみてください。

コミュニケーションの重要性

最後に「コミュニケーションにこだわる」。
商売の原理原則として三つの原則があるとありましたね? ①ターゲットを見極めよ ②利益を最大化せよ ③仮説検証と実践をせよ でした。

この3つををやらないといけないのですが、この "仮説検証と実践" はコミュニケーションにこだわっていかなければなりません。というのも、お客様の声を聞かなければ検証なんかはできませんよね。
仮説を立てて → 検証して → 実践に繋げるには、 "コミュニケーション" 、つまりお客様とのコミュニケーションをとらなければ、その数字のデータが取れません。
だからコミュニケーションは絶対にこだわらなければいけないのです。

「いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければ、ないのと同じ」ということで、当然いいものを作ったら、それを最大限に魅力として伝えることができるコミュニケーションの取り方をぜひやってみてください。
そのためには、普段の常連さんへの「いつもありがとうございますという言葉」なのか、それとも「お気に入りのメニューを覚えておく」なのか、色々と手段はあると思いますので、飲食店に限らず様々な業種でこれはぜひ覚えておいてください。

何度も言いますが、コミュニケーションはとにかく重要だということですね。

これでこの章は以上となります。
このそば職人の章はいかがでしたか? 飲食店のケースでしたが、先程も言った通り、様々な業種に活用できる事例が載っております。自社の事業にどの点を当てはめたらいいのか? といったら、やはりこの「商売の原則」ですね。3つありましたね? これをしっかりと覚えておいてください。

そうすれば "仮説思考と本質思考" の章でもやりました「商売の原理原則」が見えてきます。すると経営基盤を強くすることができるということですね。

では今日の講座はここまでとします。また次の講座でお会いしましょう。

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