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【クレーム対応のいろは 第三回】鉄則は事実確認
皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
今日は「鉄則は事実確認」です。クレーム対応で鉄則といえば事実確認をしっかりするということです。どういうことかは漫画で具体的に見て行きましょう。
事実確認の重要性
では漫画に進みます。
「先に“クレーム内容については謝罪しなくてよい”と言ったけど、その理由は何よりも事実確認が必要だからなの」と諏訪さんが言っています。
クレームが入っても顧客が言っていることが事実だとは限りません。実際は9割ぐらいが事実なことが多いですが、残りの1割ぐらいは事実でないこともあります。
その場合に、先に謝って「弁償します」など言ってしまうと非常に怖いですよね。
例えば不良品なら送り返してもらう、健康被害の場合は診断書の提出など、確認方法は色々とあります。
間違ってもクレーム内容を確認せずに鵜呑みにしないことです。
この漫画ではB to C(対消費者)の内容ですが、対企業の場合でも同じです。例えば担当者にヒアリングをして「どのような使いかたをして壊れたのか」などしっかりと事実確認をしていきましょう。
もちろん明らかに落ち度があればすぐに謝りますが、「事実だけを認めることがとても大切よ」と諏訪さんも言っています。
謝るにしても何に対して謝るのか?ということですね!
まずは不快な気持ちに対して、例えば「お手間をおかけしまして申し訳ございません」と謝り、それから事実をしっかりと確認しましょう。
名前とクッション言葉
事実確認のパートでは確認するべき情報が6つあります。
顧客に言いたいことを全て言ってもらった時点で、この6つの情報が集まっていれば良いですが、足りない情報は「確認のために少々質問させていただいてもよろしいでしょうか?」と質問していきましょう。
「この時のコツはズバリ、相手の名前を繰り返すこと!」と諏訪さんが言っていますね。
「その後体調はいかがでしょうか?」よりも「小川さまの体調はその後いかがでしょうか?」などですね。
このように名前をつけるだけでも「私の事を言っているんだな」と大切にされている感がかなり違います。
この「名前を繰り返すか返さないか」だけでも、かなりその後のお客様の対応が変わってくることもありますので、しっかりと名前を繰り返すということを意識しておいてください。
そして「ヒアリングが終わり、こちらから質問するときには“クッション言葉“を入れるといいわ」とあります。
例えば「いきなり質問させていただきます」というよりも「上司に天龍様のお気持ちとご要望を正確に伝えるために、確認の質問をさせていただきます」と。
皆さんはどう感じますか?「質問させていただきます」といきなり来ると「え…なんで?」みたいな感じになりませんか?
クッション言葉により「私の気持ちと要望を正確に伝えるためなんだな」と分かった方が、相手の理解が得られますよね?
なので「クッション言葉」を使いながら、しっかりとヒアリングをしていきましょう。
後日回答の検討
また、手に入れた情報を元に自分で事実確認できない場合は、一旦電話を切って後日に書面で回答するのが理想です。内容によってはすぐに事実確認して、折り返し電話対応ができる場合もありますのでケースバイケースです。
書面の場合と電話の場合とありますが、スピード感が求められる場合は「電話」の方がいいですね。何がこのクレームの問題・原因だったかをしっかりと残すには「書面」のほうがいいです。
クレームは企業として受け取る
そしてクレーム対応の大前提は「自分の責任ではなく、企業として対応している」ということ。責任を背負いすぎる必要はありません。
クレーム対応の矢面に立つのは自分ですが、そのクレームは自分の責任ではなくて、ただ単にこの会社を代表してクレーム対応しているだけです。
なので個人で背負い込む必要はないのです。
だからこそ先走って「弁償します」など、余計なことを言ってしまわないように注意が必要です。
「チームや組織で対応することで精神的な負担は軽くできるから、上司に伝えることも忘れずにね」と諏訪さんも言っており、「企業全体でクレーム対応についての環境も整える必要がありそうですね!」と小川くんが言っています。
だからこそ「報連相」。どんなクレームがあったかをしっかりと報告することが必要ですね。
まとめ
では今日のまとめです。
「確認すべき6つの事実」先ほどさらっと飛ばしたところですね。
①いつトラブルや問題が発生したか
②いつどんな事が起こったのか(内容)
③何に対して不満を感じているのか(対象)
④誰が不満を感じているのか(例えばお客様ではなくご家族かもしれません)
⑤問題点は何か
⑥どうして欲しいと思っているのか
この⑥がとても重要です。ここをしっかりと汲み取らないと、ずれた回答をして余計に怒ってしまうということがありえます。
「質問をする際のコツ①」
会話内で相手の名前を入れるですね。先ほど少し触れたところです。
「あなたを大切に思っています」
という姿勢をしっかりと伝えると、相手の気持ちが和らぎます。
「質問する際のコツ②」
クッション言葉を入れる。
× 質問させていただきます
○ 天龍様のご要望を正確に伝えるために、確認の質問をさせていただきます。
下の言葉ですと相手は「そのために質問をするんだな」となり、やはりこれも気持ちが和らぎますよね。いきなり「質問させていただきます」だと「なんだこいつ?」と思いますよね?
なのでここは注意してください。
「クレーム対応の大前提」
自分の責任ではなく企業として対応していると。
ここはしっかりと意識していただき、余計なことはなるべく言わない。ですが「お客様に対してちゃんと寄り添い共感していますよ」という姿勢はとても重要です。
最後に
さあいかがでしたでしょうか?
今日はまず「事実確認」をするということを重視しながら、「どんなとき」に「どのように」ヒアリングして「どんな形で」言葉を選ぶと上手くいきやすいかというのをご紹介しました。そしてこのクレーム対応は、先ほども言いましたが9割はお客様が正しいのですが、残りの1割ぐらいは事実確認がしっかりと必要なケースもあります。
なので、あまり先走って何か余計なことを言ってしまう前に、事実確認をしっかりするということを意識してください。
では今日の講座はここまでとします。また次の講座でお会いしましょう。
クレーム対応のいろは
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