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【そば職人、経営を学ぶ 第四回】マーケティングの根幹
皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
今日は「マーケティングの根幹」ですね。今回はこの「ターゲット」「コンセプト」をしっかりと決めて、次に繋げるために、今までもの全てを見直して、しっかりと地盤を固めていく。そういったことをやっていきます。
顧客起点の経営
では早速漫画に進みましょう。
「お主のやりたい調理法では、素材が美味しくならんのじゃ」ということで、いわゆるお客様のニーズと、この洋介さんがやりたいことが一致していなかった。前回ここまでやりましたね。これが2号店の繁盛しない理由でありました。
ではそこから何をしていくかというと「はじめはお客さんから考えるってことか」と洋介さん気づいていますね。
「ここで店をやろうと決めたのは、家族で気軽に美味しいそばを食べて欲しいって思ったんだよな」と言ってます。
この章の2回目の漫画の中で子供が「そばだけかぁ...」と残念がっていましたね。だからこそ "そばだけど子供が楽しめるようなメニュー" が必要だということです。
また「トラックの運ちゃんが結構来る」と。「ハラへった!」なんて言ってますね。だからこそ「こういう人たちにも元気をチャージしてもらいたい」と。
そして「そばだったらどんな時間に食べても胃にもたれしない」。これは結構いいですよね。朝でも夜でもさっぱりと食べられる。
だからこそ "蕎麦懐石よりは喫茶店みたいなイメージ" で "ゆっくり座れて" "味は美味しいけど、リーズナブルなお店" にしたいと洋介さんが言っています。これはまさにコンセプトです。このコンセプトがブレていたからこそ、今まで繁盛しなかったのです。
ここで「現状分析と戦略はそんなもんでいいじゃろう」とじっちゃんが言っています。
次の鉄則として「利益を最大化せよ」。
ターゲットが決まってコンセプトがある程度固まりました。そうしたら今度は「お店の利益に繋げるための方法」を学んでいきます。
これはまた次回の講座でやりますので、今日はこの「ターゲット」と「コンセプト」をしっかりと解説していきます。
マーケティングの4C
解説に進みます。
まず「マーケティングの4Cと4P」これはご存知の方もいらっしゃるかと思います。
この戦略ラボの上級講座でもさんざん出てきているものですが、まず「4C」とは "お客様の視点" から見たマーケティングの具体策。そして「4P」とは "作り手の視点" から見たマーケティングの具体策。
「4C」・・・顧客価値、顧客が払うことができる費用、顧客とのコミュニケーション、顧客の利便性
「4P」・・・製品、価格、プロモーション、流通
「マーケティングの根幹=顧客価値」と下に書いてありますが、つまりお客様視点から見ていかないといけないということです。
そこで重要なのが「ターゲットの見極めからはじめる」。今回の漫画ですと、
ファミリー層で "子連れの皆さんが喜んでもらえるようなお店にしたい"
トラックの運ちゃん達に "エネルギー、パワーをチャージして欲しい"
そして "そばは24時間食べられる。胃にもたれないから、朝も夜も気軽に食べやすい"
ということですね。
これらをもとにコンセプトを決めていくわけですが、そうするとマーケティングの4C・4Pも非常に具体的になりますので、ぜひまずは「ターゲットを見極めて」「コンセプトを決める」ことから始めてみてください。
その際に大事なのは「顧客にとっての価値」つまり表の黄色の部分、顧客が何を価値としてくれるのか? このお店に来てどんなメニューを頼んで、どんな満足感を得て欲しいのか? それを考えていく。
そのためには「コミュニケーション」が必要ですね。前回もやりましたが、お客様とどのようなコミュニケーションをとっていき、どのような分析をしていくかというのもとても重要となります。
そして「利益の最大化を考える」
こちらは次回からやります。ここで重要なのが「値決め」。今回この2号店は "リーズナブルな価格のお店" ということでコンセプトを打ち出していますが、その中でも、どんなメニューに対して、どのような値決めをしていくかという視点はとても重要です。
だからこそ次の講座からはこの「価格」をテーマに解説していきます。
コミュニケーションの重要性
最後に「コミュニケーション」
前回もやりましたが「質の高め方」そして「量の高め方」があります。
「質の高め方」・・・商品の競合優位性を見直す、ターゲットを狙い撃ちする、想いやストーリーを伝える
「量の高め方」・・・発信を習慣づける、伸びている媒体にのっかる、口コミをお願いする
このコミュニケーションはとても重要です。マーケティングは本当にコミュニケーションをとっていかないと、全てが上手くいかなくなります。
例えばお客様のニーズや要望を聞いていかないと "お客様にとっての価値" は分かりませんよね? そして "お客様が払うことのできる費用" つまり「これくらいだったら払ってもいいよな」というのも分かりづらいものです。
だからこそコミュニケーションを軸にしていかないと、経営というものはなかなか上手くいきません。
これは製造業でもサービス業でも建設業でも...あらゆる業界でコミュニケーションはとても重要です。ですのでコミュニケーションだけはしっかりと取っていってくださいね。
2号店のコンセプト
それでは2回目の講座の最後「Let's think」ということで、コンセプトの部分が「?」になってましたね。
今回のこのそば店2号店ですと、まずファミリー層、トラックの運ちゃん、そして朝や夜に何か食べたいなといった方々に対して、ご満足してもらいたい。リーズナブルな価格で満足してもらいたい、そしてゆっくりとくつろいでいただきたい、というのが一つのコンセプトになります。
ただ注意していただきたいのが、今回ターゲットは一つに絞っていません。例えばトラックの運ちゃんだけ、ファミリー層だけ、それから朝夜のニーズだけに絞っていないのです。
これはなぜかというと、席数が多かったですよね? 席数が多いということは、ターゲットが例えばトラックの運ちゃんだけだと厳しいです。ファミリー層だけだと、基本的に夜だけのニーズになってしまいます。
ですのでこの席数を最大限に稼働させるために、今回はターゲットを一つに絞らない方がいいという戦略でやっております。
ここは本当に店舗の規模にもよりますが、一つに絞った方がいい場合も当然あります。と言いますか基本的にターゲットは一つに絞るべきなのです。
ただ、規模が大きければそれだけお客様を増やさなければいけませんので、なかなかこのターゲットを一つに絞っただけでは上手くいかないこともあります。だから今回はターゲットを複数設定したという結論になります。
いかがでしたでしょうか? これで「ターゲット」と「コンセプト」のところは終わりますが、次からは「利益」、一番重要なところですね! 利益を最大化するために何をすればよいのか? というのを、じっくりとご紹介していきます。
では今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。
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