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【イノベーション 第五回】イノベーションの連鎖

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さあ今日は「イノベーションの連鎖」ですね。このイノベーションの章もいよいよ最終回となりました。イノベーションの「連鎖」とありますが、何で連鎖しなきゃいけないのかと思いますよね。
イノベーションを起こしたらそれでいいじゃん! と思うかもしれませんが、そうではありません。特に持続的イノベーションの場合は、1回イノベーションを起こしただけですと、すぐに真似される可能性があります。だからこそ「ここを注意してください」といった内容を中心に今日は解説していきます。

イノベーターのジレンマ

では早速漫画に進みましょう。
あれから1年後、中村さんが原田工業に訪れました。上手くいっていたはずの瞬くんですが、何か困ったことがあると言っていますね。さぁそれは何でしょうか? 「困ったこととは?」と中村さんが聞いています。「うちのサービスが露出しすぎて、真似をする業者が増えてきました。このままだとうちの受注は減少する可能性があります」と瞬くん。その後中村さんが「イノベーターのつらい立場だね」と言っています。どういう事なのでしょうか?

イノベーションという言葉は「魔力」です。つまり何か新しいことをやり遂げた時、人間はそこで一度推進力が尽きてしまうのです。
私も色々なアイデアをイノベーションとして事業をやっているのですが、やはり1回上手くいき始めるとそこで安心してしまいます。するとそこから先、新しいことを考える力がどんどん無くなってしまいます。そして少し落ち着いた頃に、例えば外から大手企業が進出して真似をしてくる、そして潰されてしまうといった可能性はあります。

実際にこの漫画でも「その間にイノベーターの真似をする業者が増え、特に資金力にモノを言わせて大手が参入してきたら、中小なんてあっという間に潰される」と言っていますが、まさにその通りなのです。
例えば代表的な例ですと、キャッシュレス決済。あれもイノベーターで最初にやり始めた企業さんは、ほとんど残っていません。残っているのは大手企業ばかりですよね。ですので少しイノベーションを起こしただけではすぐに追いつかれてしまうのです。
だからこそイノベーションを一度起こしたら、更にそこから何かを考えていかなければならない。そうすると、なかなか真似が出来ない仕組みを作ることができます。

データを活かしたイノベーション

今回瞬くんは「オンラインで受注システム」を作りましたね。これはシステム自体の制作は難しいかもしれませんが、システムさえ真似できれば他は結構真似されやすいのです。中村さんも「仕組みを真似されたら原田工業の優位性は無くなってしまう、ということだね」と言っています。実際に瞬くんもそこに悩んでいました。ではどうしたらいいのでしょう?

中村さんは「だったら今度は破壊的イノベーションになりそうなアイデアを考えてみたらどう?」と言っていますね。
「破壊的イノベーション」。これをどう考えていくかですが、破壊的イノベーションのほとんどは「オンラインの活用」によって生まれます。これは前回も言いましたが、オンラインはイノベーションを起こす要素が多いということです。

原田工業には今回の新事業で「顧客データ」という強力な武器が生まれました。だからこそこれを使います。何で顧客データを生かすことをおすすめするかというと、顧客データは真似しようと思っても出来ませんよね? 実際に事業をやって、少し時間が経たないとデータは集まりません。なので真似されにくいのです。

実際に皆さんもご存知の企業さん、例えばGoogle・Amazon・Facebook・Apple...こういった企業は当然顧客データを使っています。顧客データはやはり自社の強みの最上位に当たるところで、本当に大事な強みなのです。だからこそこれを利用すると、イノベーションを起こしやすくなります。そしてイノベーションを起こすにしても持続的イノベーションではなく、一気に市場をひっくり返す破壊的イノベーションにつなげていけるということなのです。

破壊的イノベーションを考える

漫画はここで終了となりますので、今日の解説に進みます。
まずイノベーターの課題です。イノベーターというのは「推進力が尽きてしまう」といったお話しをしました。持続的イノベーションは真似されやすいです。なぜかというと、いくら自社だけが持っている強みだと言っても、例えばそれがお金をかけて解決出来るものであったり、何かプロモーションやマーケティングで解決できる問題であれば真似されてしまいます。だからこそ真似されにくいイノベーションを起こす必要があるのです。

今回瞬くんは一度イノベーションを起こして止まってしまいましたね。そうではなく更にそこから、今度は顧客データを生かして何か出来ないかという事を考えなければいけません。そこで止まってしまうと、やはり真似されやすいということなのです。

そして今日のポイント「破壊的イノベーションを起こすには」。これはいわゆる市場そのものをひっくり返してしまうイノベーションですね。この破壊的イノベーションを起こすには、やはりオンラインを活用するというのはとても重要です。
下に説明がありますが「他に真似できないリソース(つまり経営資源とか強み)を使うことで、破壊的イノベーションを起こせる可能性がある」と。可能性があるだけです。自社にある絶対真似できない強み、今回はデータですね、データを生かして異業種に参入できないか、異業種の当たり前を壊すことが出来ないかということを考えていく。それが破壊的イノベーションの種になります。

実際に破壊的イノベーションの代表例は何かといいますと、先程出た大きな企業Google・Amazon・Facebook・Appleなどもあるのですが、例えばこの「中小企業の戦略ラボ」、これも実は破壊的イノベーションを将来的に起こす目的で作っています。その内容は言えませんが、そうやって段取りをしっかりしてイノベーションを最終的に起こす...そこまでつなげていくのが、やはりこのイノベーションのポイントとなります。

いかがでしたでしょうか? 今回でイノベーションの章は終わりますが、イノベーションとアイデアの違いを覚えてますか?
アイデアは、あくまでも戦術部分に留まるものであり、これに対しイノベーションは戦略部分まで昇華するもの。だからこそアイデアを戦略レベルまで引き上げ、イノベーションにしなければいけない、イノベーションの種にしなければいけないということなのです。

ここをしっかり覚えておいて下さい。イノベーションとはそもそも戦略になり、アイデアとは戦術レベルの内容なんだと。だからこそ、アイデアをブラッシュアップして戦略に引き上げなければいけない。そうするとイノベーションの種になるということです。

以上で今日の講座を終了します。また次の講座でお会いしましょう。

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