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【会計の基礎 第二回】貸借対照表(B/S)

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。さぁ今日は「貸借対照表」ですね。前回覚えていますか? 貸借対照表は「会社の財産」ですね。これを知るための説明を簡単にしましたが、今日はその内容を少し詳しく説明していきます。

資産・負債・純資産の関係

早速漫画に進みましょう。いきなり出てきました、貸借対照表の図です。この図には流動資産とか固定資産とかありますが、これを見たことある方、または知ってる方にとっては当たり前の図だと思います。ですが知らない方も、これ全部は覚えなくていいです。
まずこの概要だけ頭に入れてください。この企業さん、固定資産がめちゃくちゃ多いですよね。さぁこれ、何ででしょう? これ、どの業界の会社さんか分かりますか? 諏訪さんがこの下のところで質問していますが、ホテル業、小売業、IT業、さあどれでしょう。…その答えは最後にご説明します。

さっそく次にまいりましょう。諏訪さんもここで言っていますが、貸借対照表とは「会社の財産」です。会社の財産状況を知るためのものだと覚えてください。ではこの「財産」って何だろう? と思うかもしれませんが、財産というと現金だけじゃないですよね。
工場または借金なども、全部ひっくるめて財産と呼びます。ですので、この貸借対照表を見ると会社の財産状況がわかる。つまりお金の貸し借りとか、またはどのくらい借りているのか、どのくらい現金を持っているのか、どのぐらい今までに儲かっているか、というのがわかるようになります。

これを家で例えると、どのくらい借金があるのか、どのくらい住宅ローンがあるのか、どのぐらい資産価値のある家を持っているのか、貯金はいくらか、そういったことがわかるということですね。これらを会社に置き換えたのが貸借対照表だということを、まず覚えてください。
この後のところは貸借対照表の書き方ですね、これは簿記の内容になりますが、基本的なルールだけ覚えておいてください。左は資産で、右の上は負債、つまり借金や借入金ですね。右下が純資産、これは貯金だと思ってください。貯金とか資本金。この純資産が多ければ多いほど、その企業さんは優良だと言えることができます。

なぜかというと、純資産が多いということは、今まで儲けたお金の貯金が多いということですね。なので、純資産が多ければ基本的には優良企業だということを、まず覚えてください。

重要なのがその右下ですね。赤い四角で囲った部分。この例では、まずA社が自己資金として400万円持っています。そこから600万を銀行から借りて、1000万の工場を取得しました。そうすると、純資産の400万円と負債の600万円により、資産となる1000万円の工場を取得した、ということになります。
ひとまずこの流れを覚えてください。1000万円の工場は建物なので、自分たちの資産になりました。400万円が純資産、600万円が負債と書いてありますが、400万円は今まで稼いだお金なので純資産ですね。
600万は新たに借りたお金ですので、これは負債ということになります。ここはまだそんなに詳しく分からなくても大丈夫です。ただ、お金を借りたら負債が増える、工場とかを取得したら資産が増えるということだけは覚えてください。

この貸借対照表は「バランスシート」と呼ばれますが、必ず資産と負債・純資産はイコールになります。左と右で金額が一致する、ということですね。
ここだけ、一応ルールとして覚えてください。そこまで詳しく分からなくても大丈夫です。

そして先程のクイズの答えですが、ホテル業、小売業、IT業、さあどれだかわかりますか? 固定資産がすごく多いので、これはホテル業ですね。
なぜでしょう? ホテル業は当然ですが建物が大きいですよね。つまり資産価値があり、金額として大きいので、これが固定資産として計上されます。そうすると、固定資産が多いこの図はホテル業ですね、と推測ができます。
仮に小売業とかですと、固定資産はもっと少ないです。IT業はさらに少ないです。そのような業界の特徴も分かるようになります。

貸借対照表を活用する

では今日のまとめに入ります。貸借対照表、通称バランスシートと呼ばれていますが、これは会社の財産を知るものであるとまず覚えてください。一目で会社の財産の内訳が分かる、つまり、今までどれだけ稼いだか、どれだけ借金しているか、今どれだけお金が残ってるのか、などですね。そういったことが分かる表、つまり会社の財産状況が分かる表が貸借対照表です。

先ほど純資産の部分をお話しましたが、純資産が多ければ多いほど、基本的には会社の健全性が高い、つまり優良企業だということができます。逆に、資産よりも負債が多い、つまり全部の資産を現金に換えたとしても借金が残りますよといった状況だと、会社の健全性はとても悪いですよね。
これを「債務超過」と言います。債務超過が続くと、基本的に銀行はお金を貸してくれなくなります。なので経営改善が必要となる、またリスケジュールといって返済の計画を立て直さなければならなくなる。

ですので、基本的には資産と負債の関係を把握し、負債よりも必ず資産が多い状況にしない。負債が資産より多いと、会社の健全性や財政状況というのはとても悪いと判断されてしまいます。負債のほうが多いと純資産がマイナスになってしまいます。つまり、現金が足りない、資産が足りない、全部足りない状況です。
借金のほうが多い状況というのは、非常に良くないですね。

貸借対照表の書き方

そして貸借対照表の書き方です。これは本当に簿記とかの内容になるので簡単におさらいしますが、基本はこの赤く囲った部分を見てください。

左上は現金、預金、売掛金など、短期で現金にしやすいものや現金が入ります。続いて固定資産、ここは現金化しづらいものをここに書くと考えてください。例えば、機械、車両、土地、建物、こういったものはすぐ現金にはしづらいですよね。
車両に関しては現金化しやすいという意見もありますが、ひとまずここに入れてください。

そして右上は流動負債。買掛金、手形、こういったものはすぐ返さなければいけないお金ですよね。ここにはすぐ返さなければいけない流動的なお金を載せてください。同じように固定負債、ここはもう少し返すのが先なお金です。住宅ローンみたいなものですね、そういったものがここに入ります。例えば長期借入金、役員貸付金(社長が会社にお金を貸しているような状況)などですね。そういったものが入ります。

最後は純資産。ここは先ほどお話しましたが、会社の資本金、それから利益剰余金が入ります。利益剰余金とは、会社が創業してから今までどれぐらい稼いだか、というお金を指します。例えば創業してから今まで利益を稼いでないと、利益剰余金はマイナスになります。これら純資産が多ければ、基本的には優良企業と言えるということを覚えてください。

スライドに①と②で書いてありますが、これは書き方のときに注意してくださいということですね。必ず左と右は金額が一緒になるということだけは、まず念頭に置いてください。

貸借対照表とは、さて、何でしたでしょうか。「会社の財産状況がわかる表」でしたね。まずこれだけしっかり覚えてください。そして、純資産が基本的には多ければ優良企業だと言える、それもできれば覚えてください。

では、今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。

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