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【伝わる文章を書く 第三回】文章は読み手が主役

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。今日は「文章は読み手が主役」ということで、読み手の目線に立った文章の書き方を学びましょう。おそらく経験があるかと思いますが、メールマガジンなどですごく読みづらい文章を見たことありませんか? または自分が読みづらい文章を書いてしまったな〜…ということも、おそらく一度はあるかと思います。
私もそういった反省は結構あります。ですので、今日は読み手を主役とした文章、つまり読み手が分かりやすい、理解しやすい文章を書く方法を学んでいきましょう。

中学生でも分かる文章を意識する

では漫画の解説を進めていきます。小川さんが天龍さんにプレスリリースの文章を見せていますね。その内容を見てみると、かなり難しいというか、行政の文章みたいになってますね。これは確かにすごいですよね、うん。ただ、確かにこういった文章を書けるのはすごいことですが、諏訪さんは「人に伝えることを意識した方が良いわ」とアドバイスしております。

この「人に伝える」というもの。これ、どういうことが少し考えていただきたいです。まずこの文章ですが、文章を書くときの主役は自分ではありません。相手、つまり読み手が主役であることを意識しないと、うまい文章とは書けません。
うまい文章というのは「分かりやすい文章」ですね。まずはこの部分を意識していただきたいです。しかし読み手に取ってわかりやすい文章ってどんな文章だろう? と思いますよね。そんな疑問が生まれた時には、「その文章は中学生でも分かるかどうか」を意識してください。小川さんも少し文章を変えましたね。専門用語の解説を入れてみました。

ところでこの「オムニチャネル」って何でしょう? よく分かりませんよね。オムニチャネルとは、顧客とのタッチポイントと販路を統合させた施策のことらしいです。さあ何のこっちゃ? ちょっとよく分かりませんよね。知っていれば何ということは無いのですが、これが中学生に理解できるかといったら、おそらく理解できないですよね。

このオムニチャネルを少し説明しますと、オムニチャネルははインターネットや実際の店舗を区切ってお客様に商品・サービスを提供するのではなく、店舗でお客様とのタッチポイント、つまりお客様との接点ができた場合、店舗で商品を買ってもらうことにこだわらず、インターネットでも買えますよと誘導していくような施策です。

例えばそうですね、イメージしていただきたいのは、百貨店で良い服があってもサイズや色違いの在庫しかない場合、オンラインでも買えますよというのを提案します。オンラインで買ってもらったら、今度メールマガジンに登録してもらい、メールマガジンで案内をする。そしてメールマガジンで「こんなイベントをやります」とお知らせし、今度は店舗のイベントで商品を提案する。
このようにお客様を店舗・ネットといった形で分けず、統合的にお客様へアプローチする戦略が「オムニチャネル」と呼ばれるものです。

これを「顧客とのタッチポイントと販路を統合させた施策」という言葉で説明すると、非常に分かりづらいですよね。このように、相手にとって分かりやすい文章を書くというのはとても大事です。

曖昧な表現は避ける

分かりやすい文章を書く際に注意していただきたいポイントがありますが、それは「曖昧な表現を避ける」ということです。漫画の中に丸か四角か分からないイラストがありますが、これは読み手にとって複数の解釈ができるため、非常に曖昧ですよね。
同じく「利益」という言葉でも同じで、それは純利益なのか営業利益なのか、はたまた売上のことを利益といっているのかもしれません。このように、読み手が複数の解釈をしてしまう言葉は、なるべく明確な文章として記す必要があります。

例えば、「決算の損益計算書で一番下にある、税引後の当期純利益を利益とします」など、明確にすることで相手にも伝わりやすくなります。文章を簡単にすれば伝わるというわけではありませんので、ここだけはご注意ください。

分かりやすさと分かりやすい言葉

では今日のポイントを解説します。ポイントは「読み手にとっての分かりやすさ」を重視するということです。

まず一つ目は、中学生でもわかる文章を書くことです。そのために何をすればいいか。難しい言葉は使わない、これ当然ですよね。二つ目は、解釈が分かれる言葉を使わない。利益という言葉であれば、何の利益か明確にした方が読み手には伝わりやすいということですね。
そして三つ目は、自分の知識を披露するための文章を書かない。冒頭の小川さんはまさにこれでしたね。すごい文章でしたが、何となく分かりづいらい文章でした。読み手の分かりやすさという意味では、難しい言葉の多用は単なる自己満足になってしまいますね。ここは十分注意していただきたいと思います。

そして読み手に伝わる文章を書くには、分かりやすい言葉を使うのも大事です。よくあるのは専門知識を専門外の人に伝える時ですね。これは必ず分かりやすい言葉に直すことが必要です。
特に製造業の方で多いのですが、とても細部や数字にこだわる傾向があります。また別の講座でもお話しますが、この製品はスペックが○○で昨日が××で…と言われても、お客様は分からないんですよね。

ですので、必ずわかりやすい言葉に直すことを心がけてください。例えばPREP法ですが、PREP法と書いても相手に伝わりません。PREP法は、結論→理由→具体例→結論の順で会話や文章を組み立てる手法です。PREP法を活用すると、相手に伝えやすくなる、伝わりやすくなるといったメリットがあります。

このように説明を加えるとPREP法というものが何なのか分かりますよね。これを例えば、「PREP法は思考モデルの一つであり、ビジネスシーンの論理的思考思考プロセスに役立ちます」と言われてもシックリきません。
専門外の人に専門用語をわかりやすく解説することは、自身の文章力や会話力のレベルアップにもつながります。この言葉ぐらい知っているだろう…ではなく、この言葉はわかりやすく伝えないとだめだな…という考えを持って、わかりやすく伝えてみてください。

そしてもう一つ、曖昧な表現についてです。先ほどは利益というワードで例えましたが、今度はお金持ちに例えてみましょう。いきなりですが、お金持ちっていくらぐらいお金を持っている人のことを指しますか?
私は資産1億あればお金持ちなんじゃないかと思いますが、このスライドでは年収1,000万円以上の人をお金持ちと定義しています。このようにお金持ちの定義を明確にすると、より相手にとって伝わりやすい、分かりやすい文章になるということですね。

伝わりやすい文章を心がける

以上で今日の講座は終わりますが、どうでしたか? 伝わりやすい文章というものは、相手にとって分かりやすいかどうかということが一つポイントです。分かりやすい文章を書く際には、中学生でもわかる文章を書くということを意識してみてください。その際に、解釈が分かれる言葉はなるべく具体的に定義するということも必要ですね。

そんなところを気をつけていただいて、ぜひ読み手にとって理解しやすい文章、分かりやすい文章というものを心がけてみてください。では次の講座でまたお会いしましょう。

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