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【新規事業の教科書 第二回】現状分析

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。さあ今日は「現状分析ですね」。ちなみに、現状分析とは何でしょうか? これは現状、つまり今のありのままの状態、自社にとって今のありのままの状態を正しく分析していきましょう、ということです。自社の現状を見える化するということですね。
これは少し分かりづらいかと思いますので、漫画を踏まえながら解説に進んでまいります。

経営戦略とは

山野辺食品に中野さんがきました。今日は戦略をどんどん考えていくわけですが、その第一歩として、まず経営戦略は何のために決めるのかを少し考えていきましょう。経営戦略とはつまり「競争をいかに避けるか」ということと、「そのために何をするのか」を決めていくことです。これが大前提だと思ってください。
競争戦略という言葉がありますが、競争戦略は「競争をしろ」というわけではありません。「競争避をけるための戦略」と考えてください。競争をいかに避けるかというのは、特に中小企業にとってとても重要です。
とても重要なので、競争を避けるために現状分析しっかりやっていきましょうというのが今日の流れです。

現状分析

競争をいかに避けるか、避けるために何をするか、その土台となる分析が「PEST分析」と「SWOT分析」です。他の講座をすでにご覧になられた方は分かるかと思いますが、ちょっと見ていきましょう。PEST分析は、 P=ポリティクス、E=エコノミー、S=ソサエティ、T=テクノロジー、この四つのアルファベットを取って「PEST」と呼んでおります。
それぞれ政治的要因、経済的要因、社会的要因、技術的要因ということで、自社の外にある大きな流れをつかむための分析です。
これに対して、SWOT分析は「自社の強み」「自社の弱み」「外部の機会」「外部の脅威」、この四つをそれぞれ分析していく分析手法です。

これだけだと「なんのこっちゃ?」と思いますので、少し先を見ていきましょう。漫画をご覧ください。これが山野辺食品のPEST分析とSWOT分析の結果です。
特に気をつけていただきたいのは、PEST分析はすごく大きな流れ、つまりマクロ環境とも言いますが、自社の外にある大きな流れを分析します。政治では何があるか、経済では何があるか、社会では何があるか。技術では何があるか。それぞれ大きな流れを分析します。

これに対してSWOT分析は、できるだけ自社に近いところを見ていく方が良いかもしれません。例えば強みと弱み、これはもうすぐわかりますよね。これもコツがあるので今後の講座でお話しますが、その下、機会と脅威も見てみましょう。これは自社の外部の要因ですが、PEST分析が大きな流れだったのに対して、SWOT分析ではもう少し狭いところを分析していくのが良いです。
ここの機会のところ、アウトドアブームにより〜と書いてありますね。しかしEPST分析だとどこにも書いてませんよね。このアウトドアブームは、PEST分析よりもさらに狭い部分の機会=チャンスになりますね。
ですので、PEST分析はどちらかといえば大きな要因です。SWOT分析は、もう少し自社に近いところの要因と覚えてください。

その他に大事なところとして、SWOT分析では自社の強みと弱みを分析しますが、これは絶対に第三者からの視点、つまり自社以外の視点をいれてください。逆に自社からの視点はあまり入れなくていいです。
お客様から言われたこと、取引先から言われたこと、または銀行から言われたこと、地元の団体から言われたこと、そういう第三者からの声を優先的に書いてください。これはなぜかと言いますと、自社の視点で書いてしまうと、主観的、つまりすごく偏った視点になってしまうんですね。
顧客や取引先の目線だと第三者の目線であるため、すごく客観的です。なので、この客観的な第三者の目線がとても大事だということを覚えてください。

これらの現状分析を行い、次に課題を出して戦略を立てて行きます。今日は現状分析だけですので、この現状分析のところを解説していきます。

現状分析のフレームワーク

まず現状分析のフレームワーク、とても大事です。上級講座ではフレームワークが必須です。経営人材のためにもフレームワークの習得は必須なので、必ず覚えてください。
現状分析の目的は「戦略を決めるための土台」です。戦略を考える上で、現状分析は「参考にしなければいけないもの」と考えてください。そして分析は必ず第三者視点を取り入れる。自社だけだと絶対に視点が偏ります。偏ると、戦略も曲がってしまうため気をつけてください。
そして生かすべき強みと、克服すべき弱みをはっきりさせる、つまり自社の強みは色々とあります。しかしどの強みを生かすか、をはっきりさせなければいけません。

それは次回以降の講座で解説しますが、強みの中でも「持続的に続く強み」、つまり持続的競争優位の源泉とも言える「特徴のある強み」を生かしていくのが、戦略にとって重要です。さらにこれまでの戦略を決める上で、特定の弱みは必ず解消しなければならない、ということも大事です。
弱みの解消は自社でやるのか、それとも専門家を雇って解決していくのか、そのやり方も次回以降の講座でやりますので、今回は「生かすべき強み」と、「克服すべき弱み」というのをはっきりさせるということだけ覚えてください。

PEST分析の特徴とメリット

PEST分析について詳しく解説します。ここは少し難しいかもしれません。何を分析すればいいんだろう?と、少し悩むところでもあります。例えば、経済的要因と社会的要因で結構かぶる部分も多いんですよ。
特に「お客様のこういったニーズが注目されている」と分析した場合、それは経済的要因でも社会的要因でも説明することができる場合があります。その場合は「どっちに分けたらいいんだろう?」と悩むかと思いますが、その分け方はあまり気にしなくていいです。とにかくPEST分析は大きな流れ、世の中の大きな流れをつかむための分析だと思ってください。

ここにも、「自社の外の要因を、大まかに把握する分析手法」だと書いてありますが、まさにその通りなんです。国内だけでなく、国外にも目を向けてみてください。これは事業の規模によらず、国外にも目を向けると日本に入ってくる前の新しいブームや需要を掴むこともできます。
それを先に先回りして掴むことができれば、戦略としては言うことありませんよね。ですので、必ず国外にも目を向けてみてください。

そしてPEST分析のメリットは、トレンドやチャンスを見つけることができるという点です。例えば2022年現在だとアウトドアや通販がブームになっていますが、ブームの前兆はあったのです。2018〜2019年ぐらいですね。そのときに準備をして新記事事業として参入していた会社は、やはりすごく売上が伸びています。ですので、こういったチャンスを先にいかに見つけるかというのもねとても重要です。

さらに自社の強みと組み合わせることで、新たなビジネスの種を考えることができます。例えば社会的要因のところ、ちょっと小さいですけど見てください。富裕層が増加し高級品が好調である、と書いてあります。
そうすると中間価格の商品サービスはあんまり売れないかもしれません。だったら一気に値上げして、その分商品に自社の強みを活かして付加価値を乗せる、それからマーケティングを変えていくという戦略が取れるかもしれませんよね。

そんな形で、自社の強みとPEST分析を組み合わせるのはかなり有効です。それはこの後のSWOT分析でも同じことが言えます。

SWOT分析の特徴とメリット

次にSWOT分析です。これは先ほど言いました通り、自社の内と外で分けて分析する手法です。
このSWOT分析から「クロスSWOT」というやり方に繋げていくんですが、そのクロスSWOTをやるためのベースとなるものがSWOT分析です。これがしっかりしていないと、その後の方向性もぶれてしまいますので、その辺りは気をつけてください。

SWOT分析のメリットですが、戦略を決める際の強みと機会、これを考えることで「自社が今後何をやればいいかが分かる」ということです。競争を避けるためにはどうすれば良いか、それが分かるということです。さらに分析をしっかりすることで、他社が真似ることが難しい強みを見つけるきっかけになります。

第三者の視点を入れなければいけません。その第三者の視点により、「うちってこういう強みがあったんだ」と改めて気付かされることがあります。そんな強みを見つけるにも、このSWOT分析は非常に役立ちます。
PEST分析、SWOT分析、ともに実践ワークの講座が上級コースにありますので、そういった実践講座でぜひ学びを深めてみてください

本日の講座は以上となります。PEST分析とSWOT分析は、実際に戦略を考えるための土台になると先ほども言いました。
土台ということは、ここをしっかりしていかないと、その後の戦略が揺らいでしまいます。ですので、まずはフレームワークを覚え、実践ワークなどで手を動かしながら徐々にこのやり方を理解してみてください。
そうすると必ず簡単に書けるようになりますので、ぜひ実践を繰り返してみてください。

では今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。

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