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【脱プレイヤーバイブル 第四回】利益を生む仕組み前編

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。今日は「利益を生む仕組み」の前編ということで、前回は経営戦略の前編後編というのをやりました。今回はその経営戦略をもとに、利益をどうやって生み出していくかを学んでいきたいと思います。

ポジショニング的な発想

では漫画を読んでいきましょう。まず前回の続きから始まりますが、カットさんはセミナーや勉強などいろんなことに取り組んできましたが、その後どのように会社へ落とし込んだかというと、目標を立ててみんなを鼓舞した。ただ、彼らの行動は変わらなかった。結局従業員のせいにしてしまった。
これ、よくあるんですよ、経営者の目線と従業員の目線は違いますので、いくら「頑張ろう!」と言っても、従業員の方が「いやそれは私にとってなぜ必要なの?」と思ってしまうことがよくあります。この目線の違いは大きいです。

「行動が変わらない」のはある意味仕方ないことでもあります。感情と理性の関係を別の講座でやりましたが、感情を動かすのは勢いだけでは難しい。だからケイパビリティ、つまり内部の要因を高めるということはすごく難しいです。
ケイパビリティは人だけでなく、組織、生産システム、資金などもあります。これらは当然高めていかなければならないですが、特に中小企業は人はお金が潤沢にないことがほとんどです。
経営資源は基本的には潤沢にありません。お金がないなら、時間や手間をかけるしかないですね、ある意味当たっていますが、「何に対して?」と麻生さんが問いかけています。

その問いにカットさんは「利益が生まれる仕組み作り」と答えています。まず、お客さんが自分の美容室を選んでくれて、できるだけ高いメニューを注文してくれる、さらにリピートしてくれる。これはまさに理想ですよね。
これをマーケティングの視点で解説すると、新規顧客をまず獲得する。そして平均客単価を上げる。さらに既存顧客をリピートにつなげる、といった視点になります。麻生さんも素晴らしいと言っていますが、お客さんに選んでもらうというのはまさに「ポジショニング的な発想」になります。

このポジショニングとケイパビリティは前回も言いましたが、どっちが大事だということではありません。どっちも大事です。必ずセットで考えてください。そうすると、人とお金の流れをコントロールできると麻生さんは締めくくっています。

組織を変える

では要点の解説に進んでいきましょう。まず、組織は変えられるかという問いの答えを考えてみてください。組織は変えられますか? 変えられませんか? おそらく組織は変えられますよね。変えられますが、難しいです。
自社を変えようとした方はよく分かるかと思いますが、組織はなかなか変えられません。変えるには、3年、5年といった期間で考える必要があります。そうすると、その期間の利益や売上をどうするんだ? ということになりますよね。そのためにどのような視点が必要かというと、「儲けの構造を変えましょう」ということです。

儲けの構造を変える

儲けの構造、実は結構変えることができます。今のカットさんも、具体的にどうすればいいどうすればいいかというのが漫画内で出てきますよね。
実際は、費用をかけずにどこまで変えられるかという部分ですが、その場合は費用をかけずに時間と手間をかけなければいけません。例えば費用をかけて広告をバンバン打ち、売上を変えることはできますが、それでは一過性のものになってしまいます。
他にもコンサルタントを呼んだりもありますが、一番良いのはマーケティングミックスの見直しなどの視点で変えること。こうすれば費用はかかりません。ただ、時間と手間はかかりますよ、ということですね。

外部の力を借りて、自社の儲けの構造を変えていくのは「あり」だと思います。先ほどのコンサルタントや専門家はまさにそれですね。ただそれは、自社に儲けのベースとなるものがあって初めて有効に持続的に続くのであって、ベースがないままだと意味がありません。例えばお金をかけて外部の専門家を呼んで改善してもらったとしても、その後絶対に続きません。
従ってこの学びというのは、自社でマーケティングの知識を持ち、マーケティング以外でも会計の知識があり、そのような土台があってはじめて改善した状態を継続していくことができます。それが「学び」です。
ですのでこの学びがないと、1回良くなっても必ずまた戻ってしまいます。そこだけ気をつけてください。

マーケティングミックス

さて、最後のスライドにマーケティングミックスという言葉が出てきました。前の講座でも少しお話しましたが、これはどういうものかというと、まず左側をご覧ください。
「顧客価値」という言葉から始まってますね。これに対して右側は「製品」から始まってます。それぞれCとPがいっぱい並んでいますが、左側が4Cと呼ばれるものです。顧客にとっての価値、顧客が払う費用、顧客とのコミュニケーション、顧客の利便性ということで、主にお客様視点、顧客視点ですね。

これに対して4Pは、製品、価格、プロモーション、流通。これはいわゆる会社目線ですね、この二つをまずは体系的に覚えてください。4Cは顧客の目線、顧客起点で、4Pは自社の目線、自社の構造です。
これをどうやって考えるかというと、まずは4Cから考えて、その後4Pに落とし込んだ方がしっくりきます。これなぜかといいますと、製品や価格などを自社の視点で先に決めてしまうと、その後お客様のニーズが違った場合に修正がしづらいです。
しかし、先にお客様のニーズがあり、それをもとに商品や価格を決めていくと、後でズレを修正するのが苦ではありません。しかし前述のように、4Pから先に考えてしまうと結構苦労しますので、そこは十分気をつけてください。

ではカットさんの美容室であるBe Freeで考えてみましょう。ここは4Pだけ書いてありますが、4Cの視点も考えてみてください。まず製品ですが、これは製品ではなくサービスに置き換えてもらっても構いません。次に価格ですが、それぞれのサービス価格がありますね。そしてプロモーションですが、ここは麻生さんにかなり突っ込まれていましたよね。私もBe Freeはこのプロモーションが弱いなあと思いました。最後に流通。この漫画だと店舗の場所がどこにあるかは分かりませんが、店舗の立地はサービス業ではすごく重要です。

飲食店で考えていただければ分かりますが、例えばわざと立地の悪いところに店舗を構え、うちのメニューすごくうまいから絶対お客さん来るはずだ、という戦略もあります。しかしあまりにも立地が悪いと、また利便性が悪いと、絶対にお客さんは離れてしまいます。
この立地や流通という視点、自信があるほど「お客さん来るはずだ、買うはずだ」と立地が軽視されてしまいます。例えば、車を停めづらいお店もそうですね。利便性が悪い、そしてお客様が離れる原因になりますので、十分注意してください。

定数と変数

立地や流通というものは定数です。つまり変えられないもの、1回決めちゃったらもう変えられないものですね。これに対して変数、つまり4Pだと「製品」「価格」「プロモーション」、4Cだと「顧客価値」「顧客のコスト」「コミュニケーション」といったものは変えられます。
ですのでこの変数をお客様視点で変えていくのがとても重要です。その変数を考える際には必ず4Cの視点、このスライドでは4Pの視点が書かれていますので、ぜひBe Freeを4Cのお客様起点で考え、それを4Pに落とすということをやってみてください。

このマーケティングミックスはとても重要です。経営の分析をして何を具体的にやるのかというとき、マーケティングミックスはかなり使います。ですので今日はぜひ、4Cと4Pという視点だけでも覚えてください。

はい。今日の講座は以上となります。いかがでしたか? 利益の出る仕組みというものはそんなに難しいものではありません。ただ、ちゃんと分析して、ちゃんと戦略を立てて、ちゃんとマーケティングミックス等で具体策を決めていかないと、必ず失敗します。どこが欠けてもうまくいかない、ということだけはぜひ覚えていただきたいと思います。

では前半の講座は以上となります。また後半でお会いしましょう。

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