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【会議を適切に進行する 第三回】スクライブを始める

こんにちは、戦略デザインラボ・中小企業診断士の中田です。
この章では、会議を適切に進行する事を学んでいきます。今日のテーマはこちら、「スクライブを始める」。
また横文字が出てきちゃって、ちょっと嫌なんですけど、「スクライブ」って知ってました? 私は知りませんでした。「書記」という意味だそうですよ。

スクライブとは?

早速内容に入っていきましょう。前回は結構ご機嫌で帰ってきた2人でしたが、またぐったりして定例会から帰ってきました。
前回教わった事、会議の終わりと導入でしっかり確認をして、それを実践して...途中までは上手く行ってたけれど、やっぱり意見が割れる話し合いでは、議論がとっ散らかっちゃうんだと。
もう喧々諤々に付き合わされてぐったりしちゃった訳ですね。そんな2人に「そろそろ2人にもスクライブが必要みたいね」と諏訪さん。

スクライブというのは書記かというと、ほぼ正解だけど、「会議の内容をそのまま書く」事です。つまり「議論を見える化」することで、発言の内容を留めておいたり、みんなの共通認識を形成できます。
長い間話し合いをしていると、だんだん「最初の頃にどんな話があってどうなったんだっけ?」と、その場その場で頭が追いつかない時ってありますよね? ですので、議論の内容を見える化すると、「そういえばさっきこういう発言も出たよね」みたいな事が残るので、議論が見えやすくなります。また「今ここまできたよね」という共通認識を形成できます。

書く際のポイント

この「書く」時に3つの注意点、つまり意識して書き分けて欲しいポイントがあります。
それは、今出た話は「意見」なのか、それとも今話し合うべき「論点」なのか。又は「決定事項」なのか。この3つを意識して書き分けると良いです。
例えば終了条件として「今日は何を決める会議なのか」と、各議題の「予定時間」なんかは最初に書いておくといいかなと思います。

ここで「絵とか図解とか苦手だしなぁ...」とまた消極的になっちゃってますが、会議の内容をそのまま書くという事において図解は不要です。
色も、黒板アートじゃないので色々使わなくて大丈夫。黒と赤の最大2色あれば十分です。
「でも4P・3C・SWOTと、今までせっかくフレームワークを学んできたので、それに沿って書いた方がいいのかな?」なんて天龍さんが心配してますが、このフレームワークは諸刃の剣で、最適な状況で使いこなさないと的外れになりやすく、かえって難しくなるので、まずは「会議の内容をそのまま書く」のがポイントになります。
当然その都度、矢印・チェック・大事・丸 なんかの「記号」は的確に使っていくと、より分かりやすくなり、書く時間も短縮出来るかなと思います。

議論の見える化

そしてスクライブの役割はもう一つあります。それは「議論の流れも見える化」出来るって事です。
つまり、何か一つの切り口や論点についての意見であれば、漫画の様にその下に書いていけますが、筋道が立ってない場合、これはどこに書けばいいんだ?みたいな事が沢山出る時は、論点がゴチャついてる指標になりますよね。あれ?だんだん本筋から離れていってませんか? みたいな。
ですので、その議論を筋道立って整然とした進行に戻すために、この議論の流れを見える化する事も大事かなと思います。

結構、平々のスタッフは書記をやらされることが多いかなと思うんですが、外部の人が「書記やります!」というのはなかなか難しいと思いますので、「ちょっと今の点を書いておいてもらえますか?」という感じで書記の方をサポート出来るといいかなと思います。

まとめ

ではまとめに入ります。
スクライブとは? 私も初めて知りましたよ。書記ですが、単なる書記という意味ではなく「議論の内容を見える化」する事です。今こういう事について話し合っていて、こういう経緯を経て、今ここまで来たね、という参加者の共通認識を作ることができます。
そしてその書き出す内容とコツとして、「意見」なのか「論点」なのか「決定事項」なのかを、意識して書き分ける。この決定事項の中には「終了条件」として今日はこれを決める・今日はここまで進めるという事と、各議題の「予定時間」を書いておくといいですね。

そして使う色は最大2色でOK。そしてフレームワークに無理やりはめたり、図を使わなくてもいいので、矢印などの記号ぐらいに留めておき、まずは発言や会議の内容をそのまま書けばOKです。

そしてスクライブでは、「議論の流れも視覚化」出来る。つまり一つの論点、一つの切り口について整然と議論が進んでいる場合は、メモを取る方も書きやすいです。ただ話し合いがスムーズでない場合、話があっちこっちへと論点がずれちゃう様な時は、平行に並べて書けません。
これはどこに書けばいいんだ? となる時は議論がゴチャついてるぞという指標なので、「ちょっと話を戻しましょうか」と一息置きましょう。「これについてはちょっとこっちに書いといて、まず一旦本題に戻りましょう」みたいにね。そういう流れが見えるメリットもあります。

私は結構、ヒアリングというか打ち合わせの時、手書きでメモを取る派なんですね。iPadに手書きで書きます。
手書きの良い所は、これはこっち!なんて長い矢印で持ってきたり、色々とパソコンで打つよりも書きやすい所があります。それをホワイトボードで、皆の前でやるのも同じかななんて思いました。

皆さんも、次の会議で早速やってみてくださいね。
ではまた次回の講義でお会いしましょう。ごきげんよう。

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