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【会計の基礎 第五回】キャッシュフロー計算書(C/S)

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さあ、今日は「キャッシュフロー計算書」ということで、会計の基礎もいよいよ最後になりました。「キャッシュフロー」つまり「会社のお金の流れ」ですね。こちらの財務諸表の説明をしていきます。
このキャッシュフローは最初理解が難しいかと思います。実際に中小企業において、このキャッシュフロー計算書を作ってる企業さんはとても少ないです。ただ、少ないからといって放置するのはもったいないので、今回はぜひその概要だけでも掴んでみてください。

キャッシュフロー計算書とは

早速漫画に進みましょう。「財務3表の最後、キャッシュフロー計算書を解説していくわ」と諏訪さん。「キャッシュフロー計算書」これは何かといいますと、「会社の1年間のお金の増減の動き」を見ることができるものです。
これだけでは少しわかりにくいですね。P/L(損益計算書)とどう違うかといいますと、損益計算書=会社の成績表でしたね。つまり通知表だと思ってください。だとすると成績の結果は分かるのですが、内容が分からない。そこでキャッシュフロー計算書により、会社のお金の流れをしっかり「見える化」していきましょうということです。

このようにかなり違いがあるのですが、漫画では野球の結果で示していますね。例えば5対3というスコアはP/L(損益計算書)になり、それに至った過程、何回に何点取られた、その試合の経過がキャッシュフロー計算書だと理解してください。

キャッシュフロー計算書の読み方

そして実際のキャッシュフロー計算書とはどんなものかといいますと、漫画のグラフを見てください。まず「期首残高」という言葉があります。これは「期の一番初めにあるお金」、つまり12月決算であれば、1月1日にあるお金の残高。「期末残高」は12月31日に残っているお金の残高。そして営業活動、投資活動、財務活動と、何か色々な矢印が出ていますが、こちらは後でご紹介しますね。この矢印の向きだけはまず覚えてください。上が「増えた」で、下が「減った」です。
このキャッシュフロー計算書では主に「三つの活動」があります。まず一つ目に「営業活動」ですね。二つ目に「投資活動」。三つ目に「財務活動」です。まずこの三つの活動を覚えてください。

それぞれどんな内容かと言いますと、「営業活動」はその会社の本業、つまり「事業で稼いだお金」です。こちらのスーパーですと、当然ですが物を売って稼いだ利益(売上)、そのようなものが営業活動になります。ですので「営業活動のキャッシュフロー」といったら「本業で稼いだお金」だと思ってください。
次に「投資活動」ですね。例えば工場を建てます。工場を建てたら、それは投資活動になります。なぜかというと、設備投資という言葉がありますように、未来に向けた投資、そのために工場を建てるということなので、これは投資活動になります。
ここに少し書いてありますが、工場を建てれば現金という意味ではマイナスです。なぜかわかりますか? 例えば工場を建てるとなるとお金が必要ですね? 工場を建てた代わりにお金が出て行きましたということになります。なので、工場を建てたり、何か買ったりする場合はお金が出ていくので、キャッシュフローはマイナス、つまり「現金が出ていった」ということになります。

最後、「財務課活動」のキャッシュフロー。これは銀行など金融機関からお金を調達した場合、つまりお金を借りた場合は増えます。そして、お金を返した場合は減ります。この流れだけは何となくでかまいませんので、まず覚えてください。

左下の図に表しますと、まず営業活動、それから投資活動。それから財務活動とあります。お金が増えた場合はプラス、つまり営業活動ですと、物を売ってお金を得れば基本的にはプラスですね。しかし物を売ってお金を稼いでも、コストの方がかかり赤字になってしまった場合は、お金が出ていきますのでマイナスです。
投資活動は、設備や株などを売った場合はプラスになります。なぜかわかりますか?物や株を売ると現金が入ってきます。なので売った場合はキャッシュフローがプラスになります。逆に設備を買う、設備を建てる、株を買うと現金が出てきますので、投資活動ではお金が減ったということなります。なのでキャッシュフローはマイナス。ここは少し難しいので、資産を売ったら現金が入るからプラスになる、資産を手に入れたら現金が出ていくからマイナスなるという事だけは覚えてください。

そして最後に、財務活動でお金が増える場合をイメージしてみてください。金融機関からお金を借りた場合は増えます。お金を借りて資金を調達したということは、イコールお金が増えるのでプラスになります。逆にお金を銀行さんに返した場合はお金が出くので、マイナスになります。この現金の流れの中で、入ってきたらプラス、出ていったらマイナスということをしっかりと覚えてください。

キャッシュフロー計算書の活用法

このキャッシュフロー計算書は何に役立つかというと、この四角で囲っている部分に注目してください。売上というものは、実はすぐ現金として入るものではないのです。半年後にお金が入ってくるケースもありますね。例えば1月に売上が立っていますが、お客様からお支払いがあるのは6月になるとします。そうなると6月までお金が入ってこないわけです。利益が出ていて、売上が立っているのに現金は動いていない。そういったものを見るのがこのキャッシュフロー計算書というものです。
こちらも解説でご紹介します。この財務3表、B/S、P/LそしてC/S(キャッシュフロー計算書)ですね。この三つはとても重要ですので、まずこの三つの計算書がどういう役割を果たすかをしっかりと覚えてください。

プロセスを知るための計算書

では解説に入ります。
キャッシュフロー計算書(C/S)とは、年間の会社のお金の出し入れの状況がわかります。そして損益計算書は、結果であり成績表でしたね。それに対しキャッシュフロー計算書はプロセスであり過程です。つまり「何でそうなったかという過程」が示されているということになります。会社の三つの活動、営業、投資、財務、この三つの活動のときにお金が動きます。

ここは具体的に時間をかけて説明しますね。営業活動の矢印は先が上になってましたね。するとこれは、本業で稼いだということになります。本業でお金が入ってきたということは、つまり赤字になっていない。その場合はプラスになります。次に投資活動。これはガクンと下がってますよね?ガクンと下がっているということは、何かにすごくお金を使ったということになります。例えば、工場を建てた、社屋を新しくした、または大型の機械を買った。そういった場合は、この投資活動のキャッシュフローが、大きくマイナスになります。なぜならお金が出ていっているからですね。何かを買うためにお金が出ていったのでマイナス。最後、財務活動は矢印が上になってますね?これは、銀行からお金を借りてお金が増えたということ。なので、財務活動で矢印が上向き、プラスになるので、お金が増えたということになります。

このように頭の中で理解しておくと、「いつお金が入ってきて、いつお金が出ていったのか」というのがとてもよくわかるようになります。
これがなぜ重要かというと、損益計算書の売上と利益ですが、これは実際にお金が入ってきているわけではないのです。つまり先程言いましたが、1月に売上として計上し、お金が入ってくるのは5月ですというパターンがあるのです。その場合、1月から5月まではお金が入ってきていない。しかし売上としては上がっている。

実はこれは非常に危険なのです。このタイムラグを調べるのがキャッシュフロー計算書、つまりこれをしっかり把握していないと、損益計算書では黒字なのに倒産してしまう黒字倒産ということがあります。ですのでこれは十分にご注意ください。
簡単にいうと画面の左の図ですが、「利益があるのにお金がマイナス」ということがよくあります。なぜかというと、現金として入ってきてない状況があるということです。先に原価の仕入れなどを支払ってしまうとお金が出て、売上分のお金がまだ入ってきてないという状況が生まれてしまいます。そうすると現金が不足しますよね。現金が不足すると企業の活動というのはとても鈍ります。

運転資金に注意

実際にはこれは私の会社でもあるのですが、現金が入ってくるのが遅くなると、それだけ借り入れをしなくてはいけなくなるんですね。お金が足りなくなってしまうから借りる。するとその分の手間がかかってしまうのでかなり大変です。

キャッシュフロー計算書はプラスかマイナスかで最後に合計するのですが、その中でも「営業活動でプラスであること」がとても重要になります。営業活動のキャッシュフローがマイナスになってしまうと、かなり資金繰りが悪くなります。
なので投資活動、財務活動はもちろん重要なのですが、特にこの営業活動のキャッシュフローだけはプラスでないと危ないという事を、ぜひ今日は覚えてください。

キャッシュフロー計算書は以上となります。ここまでのまとめとしまして、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書、それぞれの役割を覚えましたか?
まず貸借対照表(B/S)=「会社の財産状況を調べるもの」。損益計算書(P/L)=「会社の1年間の結果である成績表を示すもの」。キャッシュフロー計算書(C/S)=「会社の1年間のお金の流れを調べるもの」ですね。
この三つは必ず覚えてください。そしてそれぞれの役割もしっかりと覚えていただければと思います。

では以上で今日の講座を終わりとします。また次の講座でお会いしましょう。

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会計の基礎

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