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【新規事業の教科書 第七回】マーケティングミックス

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さあ今日は「マーケティングミックス」ですね。マーケティングの「4C」それから「4P」の視点を混ぜたものです。「脱プレイヤー」の講座ではサービス業でしたので、「4Cの視点」がかなり重要でした。そして今回は製造業なので、「4Pの視点」も大事です。しかしやはり4Cの視点、つまり「お客様視点」というものがとても大事になりますので、その部分を注意して見ていきましょう。

マーケティングミックスの概要

では漫画へ進みます。前回の内容は、通販事業をやればいいのではないか? ということでハラルフードに注目しましたね。そして単価を高めるとなると、大豆ミート。その中でもさらに高級品志向であり、山野辺食品の強み、コアコンピタンスを生かせるのは牛肉の代替品であるという結論に至りました。
そして今回何をやっていくかといいますと、いきなり社長が部屋から出て行きましたね。これはなぜか、理由があります。ここからは現場の具体策というものがかなり入って来るので、現場判断を入れたほうが良いということですね。

次を見ていきましょう。初めて見る方はよく見てください。これは「マーケティングミックス」と言います。マーケティングの4P、そして4Cがあり、それぞれ「4P=売り手側の視点」「4C=買い手側の視点」です。この二つに分けてマーケティングの具体的な方法を決めていきます。
まず4Pの方。どちらかというと作り手視点なので、一方通行の内容になってしまうのですが、そこに4Cという視点、顧客の視点を入れることでとてもバランスが良くなります。脱プレーヤーの講座ですと、4Cの視点はとても重視でした。しかし今回は製造業ですので、4Cの視点だけですと少し危険です。なので4Pの視点もしっかりと入れていこう!といった内容になります。

マーケティングの4P

早速4Pをやっていきましょう。まず製品ですが、前回「牛肉の品質と味わいを再現した大豆ミート製品」で決まりましたね。製品の次はプライス(価格)です。ここは競合分析をして「100グラム1000円ぐらいが良いのではないか」となりました。そして立地・流通(プレイス)ですが、今回は通販サイトがメインです。しかしそこにプラスして、オフライン、つまり直売という手を取らない方法はないですよね。
ECサイトで売る際に、そこでしか買えないもの、つまり直売でしか買えないものという「希少性」を持たせた方が売れますよね。なので必ずECサイトを作る際には、直売という方法もぜひ取っていただきたいと思います。

最後にプロモーションです。これは後ほどコミュニケーションという部分でもお話します。まずプロモーションとは、SNSや動画サイト、ランディングページを活用する方法が入ります。岡田さんが「まずは作り手の目線から考えていくんですね」と言っていますが、これは例えばサービス業ですと、4C、つまり顧客の視点から考えます。しかし今回は製造業ですので、4Pの視点から考えた方がわかりやすいのです。なので、本来は4Cから考えていかなければならないのですが、「製造業の場合は、4Pの視点から考えた方が分かりやすい」ということだけは覚えてください。

マーケティングの4C

では次に、4Cの視点を考えていきましょう。まず4Cの一つ目「カスタマーバリュー」、つまり顧客価値ですね。これは前回やりました。大豆ミートでも「牛肉のような旨みを味わいたい」とありましたね。ここの願望を満たす価値が重要です。その次は「顧客コスト」。先ほど、価格では100グラムあたり1000円の設定でしたね。ただ「もっと価値がある」とお客様に認めてもらえれば、当然ですが1000円よりも値段を上げることはできます。ですがひとまず1000円という設定をしました。

次に利便性「コンビニエンス」というところですね。これは、今回は通販を使うということで、例えばAmazonを思い浮かべてみてください。サイト内でワンクリックで買えますよね。あれはまさに、「利便性」という部分をとことんまで追求した結果です。とにかく「お客様の手間をいかに省けるか」というところを重視していきます。
ここで「そうか利便性ってそういうことですね」と岡田さんも気づいていますね。そういうことなのです。とにかくお客様の手間を省くということを頭に入れてください。

最後は「コミュニケーション」ですね。ここが実はとても重要です。とにかくその製品がいくら良くても、結局のところファンがついてくれないと高くは売れません。今までの時代ですと、製品が良ければそれだけで売れました。ただ、もう飽和し、物が溢れている今の時代に買ってもらうとなると、やはりこの「コミュニケーション」を重視していかないと売れないということになります。

特にマーケティングに弱い山野辺食品は、このコミュニケーションを徹底的にやっていかないと売れません。そこで岡田さんが自社の思いなどを色々話していますが、中野さんは「素晴らしいじゃない!」と言っていますね。
こういった「自社の思い・共感する理念」などをどんどん発信していく、それが第一歩となります。しかし第一歩で終わらせるのではなく、そこからまたどんどんとファンづくりにつなげていかなければいけません。その上で、まずは第一歩として自社の思いや共感する理念は重要ですということですね。

漫画の赤い四角のところを見ていただきたいのですが、マーケティングとは様々な分析が重要なのです。ただやはり最後は人とのコミュニケーション、お客様に「ここで買いたい」と思わせないと、他の商品やサービスへ流れてしまいます。この「山野辺食品だからこそ買いたい」という動機をしっかりさせるためには、やはり「コミュニケーション」が大事になるということなのです。

マーケティング戦略のまとめ

では今日の解説、そしてマーケティング戦略のまとめへと進めていきましょう。
まず「現状診断」という部分を見てください。マクロ環境(PEST)、戦略目標(SWOT)、それから業界環境分析(3C)ですね。この辺りがだいたい「戦略」と呼ばれるところです。3Cについては「マーケティング戦略」とも呼ばれており、マーケティング戦略の場面でもよく出てきます。またその上の二つ、PESTとSWOTは「経営戦略」でよく出ます。全部ひっくるめて今回は「マーケティング戦略」と呼んでおります。

そして左側に「方針」と書いてある部分を見てください。ここは「お客様は誰か」「自社はどのポジションからお客様を獲得するのか」「競争を避けて獲得するのか」ということを決めていきます。ここにセグメンテーションという言葉が無いですよね。前回の講座のSTP分析をしっかりと覚えていますか? STPとは「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」でしたね。ここであえてセグメンテーションが無いのは、もう3C分析である程度まとまっているからです。セグメンテーションを入れるのであれば、ターゲティングの上にセグメンテーションを入れます。ただ今回はそこまで細かくやりませんので、わかりやすくするためにターゲティングとポジショニングだけにしました。
ここの「方針」がとても重要です。ここがズレてしまうと、全てがズレてしまいます。当然そのための「現状診断」という部分もとても重要になってきます。

最後に「行動」ですね。今日やったマーケティングの4Pです。「製品」「価格」「プロモーション」「流通」。マーケティングの4Cですと「顧客価値」「顧客コスト」「コミュニケーション」「コンビニエンス」ですね。そこをしっかりと覚えていただければ、今日の内容は落とし込めるかと思います。こちらもただ覚えただけではなかなか使えませんので、ワークを用意しております。「実践ワーク」というタイトルで、色々な動画が入っておりますので、またそちらもぜひトライしてみてください。

「ターゲティングとポジショニングで方針を決め、マーケティングミックスとして形に落としておく」この流れをよく覚えておいてください。マーケティング戦略に関しては、ここを覚えてしまえば「経営戦略」「マーケティング戦略」というものは型ができます。
型が出来ましたら、ほぼこれで完成したと言っても過言ではありません。あとはこの型に対してどれだけ肉付けをするかということを考えていきましょう。

コミュニケーションの視点

では今日やったマーケティングミックスの整理ですが、もうここは一つ、この一つだけ覚えてください。それは「物は作っただけでは売れない」ということ。それだけです。となるとどうするか? 結局のところはお客様視点、つまり「マーケティングの4Cの視点で、どれだけこのサービスが自分にとって必要か」という事を訴える。それが重要です。

そのためにはコミュニケーションがとても大事になります。それはそうですよね。実際、知らない物、誰が作っているか分からない物はあまりそそられませんよね?なので、「これってこういう商品なんだ」「こういうサービスなんだ」「これが自分に必要なんだ」という事をしっかりと落とし込めていると、お客様は買ってくれるようになります。だからこそこの部分は「顧客体験」と呼ばれているのですね。利便性とコミュニケーションの重要性の部分に書いてありますが、正にそうなんです。今、顧客価値・利便性・コミュニケーションというのは一体化しています。一体化して「顧客体験」という新しい名前になっています。

なので、このマーケティングの4Cを「顧客体験」という形にして、とにかくお客様は「どうありたいのか」「どういうコミュニケーションが欲しいのか」そして「どのような手間を省きたいのか」ということをしっかりと分析してみてください。

このコミュニケーションは本当に大事です。例えば、あなたが最近買った高い物はなんですか? あなたはなぜそれ買ったのでしょうか? 何かしら動機がありますよね。ただ製品やサービスが良いというだけではなく、例えばその物を買う事で自分が満たされるなど、何かしら動機があったはずです。なのでそこをまずひも解いてみてください。

そして今後の時代は「言葉」と「デザイン」が重要です。特にデザインはとても重要でして、デザインを使うと「言語化できない何かを表すこと」ができます。それは「アート」とも言われています。今は色々な経営者がデザインやアートを重視しています。ですので、ぜひあなたも今日から「デザイン」、それから「アート」にも取り掛かってみて下さい。するとマーケティングがよくわかるようになります。

いかがでしたでしょうか? マーケティングミックスはかなり複雑といいますか、基本的には4Pと4Cの視点を覚えるだけでいいのですが、それを実際に実務に落とし込むとなると、なかなか難しい部分もあります。ですので、この講義を1回聞いただけではなく、漫画も何回か見て頂き、こういうことなんだなという事をぜひ落とし込んでいただきたいと思います。
そして、実践ワークで実際に手を動かしてみて下さい。そうしますと自分で出来るようになりますので、自社の状況に置き換えて、ぜひトライしてみてください。

では今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。

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