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【脱プレイヤーバイブル 第二回】経営戦略前編

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。いよいよ経営戦略、こちらの前編をやっていきましょう。

経営と労働

カットさんが麻生さんの会社にいきなり来てしまったところから漫画が始まります。この社長、前回もお話しましたが美容商社最大手の女社長である麻生さんですね。さあカットさん、かなり緊張してます。そりゃそうですよね、私だって緊張します。

そしてカットさん、かなり悩んでいますね。他のスタイリストに多くは望めないし、自分1人で働ける時間には限界がある。そして彼女にも愛想尽かされた…。このパターン、経営者には結構あるパターンなんですよ。大変だから仕事を優先しちゃって愛想を尽かされる…というパターンは結構多いです。こんな経営者の悩みについて、ぜひ従業員の方もこの講座を見ていたら共有してみてください。

そこに麻生社長がいらっしゃいました。カットさんは一緒について行くわけですが、その道中でカットさんは「経営者の仕事って我慢することですか? それか自分を犠牲にして働くこと?」と聞いています。それは当然間違っています。
そんなカットさんに麻生さんは、「あなたのやっていることは経営じゃなく労働だ」と釘を刺しています。そうですよね、ずっと働きづめで、身を粉にして会社のために働く、それは労働ですよね。

ではどういうのが経営なんだとカットさんは聞いています。確かにこんなふうに言われたらカチンときますよね。しかしカチンときて怒ってしまったらそこで学びが止まってしまいますので、まずは素直に聞いてみましょう。
麻生さんはその問いに対して、「利益が生まれる仕組みの作り方を教えましょう」と答えています。利益が生まれる仕組みの作り方、さあそれは何でしょうか?
カットさんも少しイライラしているのか、「自分もやってますよ」と突っかかっています。セミナーに行って事業計画を考えたり、孫子の兵法を生かそうとしたりと、いろいろ試行錯誤を重ねたようですね。しかし結果はどうだったかというと、変わらなかった。それは何故でしょうか?

実はその答えは、「ポジショニング」と「ケイパビリティ」にあります。この二つの視点がなかったのが失敗の原因であるということですね。

外部要因と内部要因

ポジショニングとケイパビリティとは何か? まず、自分の会社を外から見るのがポジショニングです。逆に内側から会社を見るのがケイパビリティですね。ポジショニングは、消費者の側から自社の会社がどう見られているか、ライバル会社と比べてどのような立ち位置で認識されているかを意識しながら、自社のポジションを決めていく。それをポジショニングアプローチといいます。

これに対してケイパビリティは、自社の強みなどの内部要因を元にします。SWOT分析などをやったことがある方は分かるかと思いますが、自社の強みや優位性を生かしてどのように差別化するかを考えていく。これがケイパビリティを元にした戦略です。

3C分析やSWOT分析などのフレームワークは、ポジショニングとケイパビリティの双方を生かして作られています。例えば3C分析ですと、「自社」これはケイパビリティです。
「競合」はポジショニング、「顧客」もどちらかといえばポジショニングです。これに対してSWOT分析では、自社の強みや弱みがケイパビリティ、市場の機会や脅威はポジションニングです。

孫子の兵法が出てきたのでここで紹介してますが、「敵を知る」はポジショニングで。「己を知る」がケイパビリティです。どちらが良いというわけではなく、どちらも必要です。
経営者の方の多くは、自社の製品はこれだけすごいんですよというアピールをしてしまいがちです。つまりケイパビリティに気を取られちゃうんですね。そうすると、内側からしか見ていない、つまりお客様からどうやって自社が見られているかということを意識していないということですね。
そうするとポジショニングとケイパビリティのバランスが悪くなってしまう。その点は十分に注意してください。

ポジショニング

ではポジショニングとケイパビリティを具体的に見ていきましょう。まずポジショニングですが、このポジショニングアプローチを誰が考えたかというと、マイケルポーターというとても有名な先生です。
ポーターの競争戦略などは経営理論でさんざん出てきます。自社が競合他社に対して、どの位置から競争を仕掛けるか、もしくは競争を避けるか、ということを意識する戦略、それがポジショニングアプローチです。

その後BCGがPPMフレームワークを開発したとありますが、これはボストンコンサルティンググループという有名なコンサルティング会社が、「PPM」というフレームワークを開発したのです。これが一時期すごい流行ったんですよ。
一時期といっても結構前です。1980年ぐらいでしたかね。PPMは自社の限られた資源をどの事業に振り分ければ良いか、それを見える化したフレームワークですが、PPMにより「ポジショニングが大事だね」という時代が長く続きました。このポジショニングの視点がないと、己を知るばかりで敵を知らないことになる。これは怖いですよね。

ちゃんと市場に適応して、自社がどこに位置するのかよく考えないと、競争に巻き込まれてしまうということですね。
ポジショニングの思考が無いと、お客様のニーズを無視してしまうことになります。つまり、「うちの商品はこういう性能がある、こういうスペックだ」と、自社のことばかり出しちゃうんですね。

お客様は、そこを全く気にしていないかもしれません。ニーズが違うと言いますが、いわゆるお客様のニーズを無視した商品開発を行ってしまうことが結構あります。これがポジショニングアプローチを知らないと怖い部分でもあります。

ケイパビリティ

これに対してケイパビリティは、内側から分析をしていきます。これが流行ったきっかけは日本企業です。ホンダが小排気量のバイクをアメリカに投入しましたが、成功の要因を分析したら「ケイパビリティ」というものが要因では無いかということでした。
さらに「エクセレントカンパニー」という書籍がヒットしましたが、これも日本企業の成功要因を分析したものです。これが流行ったため、さらに「ケイパビリティが大事だよね」という理論が重視されました。

ケイパビリティの視点がないと、自社の強みを生かせない、つまり社長がワンマンでやってしまう組織になりがちです。また、内側から学んでいくきっかけがなかなか無いため、イノベーションが起きません。
つまり、今のままで経営も組織も変わらず、どんどん時間だけが進んでいってしまうということですね。こういった危険性があります。

今日は「ポジショニング」と「ケイパビリティ」をまず覚えてください。これはすごく重要な理論です。
この二つをちゃんとバランスよくやっていかないと、戦略は必ず崩れます。ポジショニング、ケイパビリティ双方の視点を持つことだけはしっかりと覚えてください。

今日は経営戦略の前編をお伝えしました。、ポジショニングケイパビリティ、もちろんこれ以外にもさまざまな理論があります。
ただこれがベースとなりますので、必ずポジショニングとケイパビリティを意識してみてください。

ではまた後編でお会いしましょう。

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