無料会員登録で閲覧可能に!

  • プレミアムコンテンツが1日1つ閲覧可能
  • 集合研修のお知らせあり

売上思考の罠

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。今日は「売上思考の罠」ですね。前回もお話しましたが、売上思考という考え方がどれだけ利益を生み出さないか、ということをお伝えします。その中で大事なのが「LTV」、「顧客生涯価値」「生涯取引価値」と呼ばれる言葉です。
これがいかに重要かということも、併せてお伝えいたします。

売上思考がもたらすもの

では漫画の解説に進みます。まず前回の続きからで、前回はLTVがとても重要だということで終わりました。この「LTV」がどれだけ重要かは、このあと解説します。
まずはLTVに移る前に、しっかり理解するためには会計の知識がある程度必要です。皆さんの会計の知識、どれくらいありますか? もし全くないという方は、中級の会計講座や上級の会計に関する講座をご覧いただ木、それからもう一度この講座を学んでみてください。

ではこの図を見てください。これは美容院の利益に関する全体図です。会社の決算書の中で、損益計算書はまさにこの内容と同じですが、まず売上があり、美容院の場合は原価がとても少ないです。その代わり、人件費が大きい。
こういう業界は労働集約型と言われますが、いわゆる人手による部分が大きいという業界です。そして注目していただきたいのが販管費です。ここは家賃、光熱費、保険などが入りますが、販管費には広告宣伝費も入っています。この広告宣伝費がとても重要になりますが、売上思考になるとまず広告費をかけますよね。
チラシ、クーポン、サイトへの掲載、いろいろとあるかと思うのですが、そうすると当然、販管費が増えていきます。広告宣伝費が増えるので、販管費が増える。すると、利益が減ってしまう。このパターンに陥ることがよくあります。

例えば1万円のサービスを提供するとします。粗利益が5000円ぐらいだとして、広告宣伝費も1人あたり5000円かかってしまった。そうすると、売上が増えても利益が減ってしまいますよね。

LTVを高めるメリット

そこで販管費をかけずに売上と利益を伸ばす方法なんてありますか? とカットさんが麻生さんに聞いています。そこで登場するのが武田さん。武田さんは、年間に12万円も支払ってくれている優良顧客です。さらにクチコミで来店されたので、広告宣伝費がゼロに近いです。
武田さんはこのトリートメントにすごく満足していました。そうすると、例えば既存のお客様で、2ヶ月に1回6000円のカットをするだけの常連客Aさんという方が、仮に武田さんになったら売上と利益はどうなるでしょうか?

そうすると、Aさんは年間に6000円×6回で3万6000円を美容院に支払っていましたが、武田さんと同じサービスを利用して同じ頻度で来店されると、年間に1万円×12回で12万円の売上になります。売上が3.2倍になりましたよね。そうすると利益も3.2倍になるかというと、そうではないんですね。
これはなぜかというと、価格が6000円でも1万円でも固定費はほぼ一緒なんですね。厳密に言うと、トリートメントの原価とトリートメントの時間コストがありますが、それを除くと固定費はほぼ同じです。そうすると、価格が上がった分だけ利益が増えてきますよね。

これにより利益率が高まり、利益は3.2倍ではなくて6倍になります。これも理解が難しい部分があるかもしれません。ですので、LTVを高める施策を実施すると売上の増加分よりも利益が増えるということだけ覚えていただければと思います。

利益ベースで考える

要点の解説に進んでいきます。まず売上思考の罠、まず売上を増やそうという行為が、いかに利益を圧迫するかということをまず覚えてください。私も「利益ベースで考えてください」とセミナーで散々伝えていますが、利益から考えずに売上を追ってしまうと、広告宣伝費がすごくかかることに加え、業務量がどんどん多くなります。
そうすると利益が出ないだけでなく、さらに忙しくなってしまう。こういったことがよくあります。

ですので、必ず利益の受け皿を作ってから売上を増やす施策を行ってください。受け皿を作らないと、その場しのぎの施策で終わってしまう、つまり単発で終わってしまうということになります。
これは本当によくあるパターンです。自社の商品サービスが売れないなぁ…と悩んだ際に、まず新規のお客様をつかもうとしてしまう。しかしそれは、もしかしたら広告宣伝費を沢山かけても上手くいかないかもしれません。

なぜかというと、戦略という大枠の中で「ターゲット」「ポジション」を考えていかないといけないからです。マーケティングの一つで新規顧客を獲得しようとしても、うまくいかないのは当然です。全体の仕組みができていないと、応急処置にはなれど継続的な仕組みにはなりません。なので必ず全体の仕組みも考えつつ、マーケティングを実施しないとダメだということを覚えてください。

LTVの具体策

次にLTVを少し深掘りしましょう。さんざん出てきましたが、LTVは顧客生涯価値または生涯取引価値なんて呼ばれています。つまりお客様1人が、生涯かけて自社の商品サービスにどれだけお金をかけてくださるかという指標です。
LTVは基本的に、既存顧客をいかにリピートさせるかに加え、既存顧客の単価をいかに高めていくか、この二つの視点がとても重要になります。LTVを高める具体的な手法としては、セット売りが有名ですね。

マクドナルドさんはバリューセットを前面に押し出していますが、これはまさにLTVを高める施策です。その次にスリープライス。例えば、一番高いコースが1万円で、中間が6000円、番下が2000円といったように、3つの価格帯で顧客にサービスを提供する仕組みです。
そうすると松竹梅の価格帯のうち、真ん中の竹を選ぶお客様が増えます。ここに少しコツを加えるとすると、例えば松を1万円、竹を5000円、梅を3000円にする。そうすると竹と梅の価格差が狭まりますよね。そして竹と松の価格差が広がりますので、割安に見える竹を選びやすくなります。

そして、アップセルとクロスセルも重要です。専門用語になりますが、アップセルは商品のグレードアップ提案です。例えば今までコンパクトカーに乗っていたお客様に向け、ミドルサイズのSUVに乗り換えをおすすめする。クロスセルですと、スーパーのレジ横にあるガムや飴などがクロスセルに近いですが、美容院だとシャンプーとコンディショナーのセット売りとかですね。オンラインだと、Amazonや楽天など通販サイトのリコメンド機能などがその例です。あなたにはこんな商品もおすすめです、ってやつですね。

LTVと会計

そしてLTVですが、会計のインパクトがとても強いです。単に売上が3.2倍になったら利益が3.2倍になるのではなく、6倍になるというインパクトですね。なぜかといいますと、まず広告宣伝費などのコストが低くなる。そして、価格を引き上げることで1人当たりの客単価が増えるということですね。
単価が上がってコストが下がる。すると利益は当然増えますよね。ここでは利益が6倍になるとしましたが、これはね分かりやすくするための便宜的なものですので、実際には利益6倍の中から、トリートメントの原価、それからトリートメントの時間コストがかかってきます。
ただそれらも、せいぜい1000円もいかないコストですので、利益はいずれにしろ売上よりも増えて行きます。

いかがでしたでしょうか? 今回は売上思考がいかに危険かということをまず解説しました。加えて、LTVという考えの大切さ、そしていかに利益を生む仕組みを作るかが重要だということもお伝えしました。
LTVを高めるには、まず単価を上げる施策を考える。そしてついで買いやセット買いで提供する仕組みを作るということです。そしてリピートという考えはとても大事ですので、新規顧客よりも既存顧客にまずアプローチすることも重要だと覚えてください。

今回のBe Freeでは、武田さんを増やす仕組みを考えました。しかし、仕組みを作るだけでは難しい面もあります。その解決方法はこの後の講座でお伝えしていきますので、ぜひ脱プライヤー講座の最後までご覧いただければと思います。

では今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。

無料会員登録で閲覧可能に!

  • プレミアムコンテンツが1日1つ閲覧可能
  • 集合研修のお知らせあり

脱プレイヤーバイブル

    関連コンテンツ