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【脱プレイヤーバイブル 第十回】脱プレイヤー

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。さあ、脱プレイヤーの講座もいよいよ最後になりました。タイトルも「脱プレイヤー」。ここまで全10回の講座で、まず経営戦略とは何かを知り、次にマーケティング戦略を学びました、そしてマーケティング戦略をもとに、組織をいかに動かしていくかということもお伝えしました。
今日はその集大成として、カットさんのBe Freeという美容院がその後どうなったか。これまでの流れをおさらいしながら、ここだけは確実に覚えてくださいという部分を解説してまいります。

経営者の仕事

では早速、漫画の解説に入ります。Be Freeはメニューやセットプランの見直しで客単価を上げることに成功しました。そして、髪質改善をSNSに投稿し続けることで口コミが広がり、新規顧客も増加、そして利益率も改善しましたね。
そのタイミングで、カットさんはプレイヤーを卒業。つまり経営者になったということですね。プレイヤーからついに経営者へ。マネジメントとも言われますが、名実とも経営者になった。そして、マーケティングや組織作りに集中しました。

ここ重要です。経営者の仕事って何か? その答えは、マーケティング、それから組織をいかに生産性の高い組織にするか、この二つが特に重要です。これに加え、イノベーションを起こすことも重要だと言われておりますが、まずはこのマーケティングと組織作り、これは経営者の仕事であるということを理解してください。

顧客起点のサービス

そして、お手入れカットをフロント商品として安く提供した。これも重要です。単価が高いままだと、なかなか新規顧客の獲得が難しいです。なのでその新規顧客の受け皿として、こういった安い商品をまずフロント商品、つまり最初に提供する商品として設定する。そうすると、高い雰囲気で様子見していたお客様がサービスを体感する機会が得られる。これが結構重要なんです。
よくこれをやっているお店もありますよね。ただあんまり安くすると変なお客さんがついてきますので、そこはご注意ください。そしてプレミアム会員になると個室でフェイスエステが受けられる、これも最近流行っていますね、1回1万いくらという会員メニューで、個室でゆっくりとヘッドスパが受けられるサービスをやっているお店もあります。

さらに海外進出、実はこれも重要なんです。日本国内の人口が減っているため、国内の市場は将来的にも確実に縮小しますよね。ということは、海外に出なければいけない。これは国も重要視しています。ですので、企業の海外進出に関しては結構いろんな施策が出ています。そういった支援策を活用するというのも一つの手ですね。

成功の要因

成功の要因は何だったの? と麻生さんが聞いています。そうするとカットさんは、「経営に本気になったこと」「顧客目線のマーケティングを実践し続けたこと」と答えています。顧客目線のマーケティングはかなり重要なポイントでしたね。実践し続けたというところがポイントでしょう。

人それぞれではあるものの、マーケティングはやはりそれだけ重要だということです。カットさんは、まず自分たちの価値を顧客目線で磨き込んだ。つまり、どこが一番お客様を満足させているポイントか、また満足させているサービスかというのを、まず絞り込んだことが奏功しました。
そこでターゲットをちゃんと設定し、次に顧客のLTVを向上させた。売上と利益双方を高める施策により、経営の土台を作ったということ。利益とのバランスを見つつ集客したこと。ここ大切ですね。

集客しすぎると、逆にサービスの価値や品質が落ちてしまいます。なので、必ずバランスを見なければいけません。そして最後に、「対応できる組織を整える」とあります。ここはマーケティングとケイパビリティですね。社長と組織のベクトルをうまく合わせるやり方は、前回の講座でお伝えしました。この流れがうまくいったということです。

脱プレイヤーのために

さて、ここまでの学習のまとめに入りたいと思います。
今回の全10回の講座では、まず経営戦略、それからマーケティング戦略、最後にケイパビリティ、この流れで講座を解説しました。一番大事なのは何でしょう? 覚えてますかね。中小企業にとって足りないのは、「ポジショニング発想」ですね。中小企業はポジショニング発想が足りない。逆にケイパビリティ発想は結構あります。「自社の強み」と言ったら、やっぱり技術力とか、品質とか、またサービスのこの提案力とか、いろいろあると思います。そうではなくて、まずポジショニングをちゃんと磨き込んでいきましょう、設定していきましょうということを重視しないと駄目だということですね。
ただポジショニングだけではいかんともしがたいですよね。それだけであれば、ライバル会社でもできるわけですから。ポジショニングをまずはちゃんと決めて、競争を避ける。そしてポジションを決めてから、自社の強みを磨き込んでいく。それがケイパビリティに落としこむというものになります。

逆に、どこのポジションにしようかというのは、自社のケイパビリティや強み、組織なども重要です。そういったものを考えてポジションを設定していかないと駄目ですので、この二つは密接に関わるものと考えてください。どっちが大事ではなく、どちらも大事です。
それから経営のフレームワークとマーケティングミックスをやりました。まず分析、つまり現状分析や定量分析とよばれるものですが、PEST分析や3C分析、SWOT分析をやりました。
そしてマーケティング戦略。覚えていますか? ターゲティング、ポジションニング、マーケティングミックスですね。これらの流れを覚えておくと、経営戦略からマーケティング戦略の流れができますので、ぜひ講座の総括として、この流れは必ず覚えてください。

マーケティングミックスの見直しと実行。ここも重要でしたね。まず4Cの視点で考える。それから4Pに落とし込む。4Cはどんなものがありましたか? 4Cが顧客起点ですよね。顧そして4Pは、いわゆる自社目線です。自社目線、つまり製品志向とか製品目線。4Cと4P、この二つの軸があるということは必ず意識してください。

それから、売上志向ではなくて利益志向に移る。そうすると、LTVの見直しが必須になりますよね。このLTVを見直すには、何でしたっけ? 新規顧客ではなく、まず既存顧客からアプローチしていうことですね。既存客のLTV向上は、販管費をかけずに着手できる。まさにこれです。
新規顧客を獲得していくと、当然ながら販管費、つまり広告費はかかりますので、それだけ利益は圧迫されます。ですので、必ず既存顧客からやっていく、そうすると、既存顧客には気軽に「どうですか?」と聞けますよね。本音を聞いたり悩みを聞いたり、そういったことができますので、既存客に先にアプローチするということは、コミュニケーションにもつながります。
ここを重視していくと、LTVを高めやすくなります。

最後に、サービスの価値を高めるため段階的に組織を強くする。ここはマーケティングとケイパビリティのお話でした。経営者と従業員はベクトルが違うので、これを合わせるということを前回お話しました。
そのためには経営者の熱量も大事ですが、それ以外に大事なものがあります。自己管理の講座でやりましたが、「感情と理性」がとても重要です。感情を動かすには理性をうまく使うことが必要ですが、その理由は経営者の感情とやる気だけでは従業員はなかなか動きづらいからです。
なのでそこに顧客の目線を入れる。お客様がこういうお悩みを解消するにはどうすればいいか、願いを叶えるためにはどうすればいいか、その理由づけ、つまり根拠というものが必要になってきます。

理性で働きかけることをやらないと、組織というものは動きませんので、十分にご注意ください。おそらくね、こういった話は心当たりがある方が多いと思います。なので、必ず理性に働きかけるという視点を持ってみてください。

今日から実践

では最後に、いざ実践。いくら学んでも、実践に移さないと意味がありません。戦略ラボでも実践に繋げるためのワークやセミナーなど用意しています。
ただ、それだけでは足りませんよね。実際に会社で、実際の現場で、それぞれやってみないと意味がありません。経営者の方ならもちろんすぐ出来ますが、もし従業員の方がやるとなると、まず経営者にどうやって説明するかという部分から考えてみてください。

そのためにはやはり顧客ですよね。顧客起点を共通の目線として説明すると、経営者にも「変わらなければいけない、やらなければいけない」という意識を持たせることができますので、ぜひその視点も生かしてみてください。
実践的な質問リストがスライドにありますが、これを自社に置き換えてやってみていただければということで、いくつか羅列しました。既存客で一番のファンは誰ですか? これは重要ですよね。

うちの会社は「戦略デザインラボ」という会社ですが、戦略デザインラボの一番のファンは「若手経営者」の方です。価値観や理念が似ているため、戦略デザインラボのファンになってくださる方が多いです。
そのファンとなるお客様に対して、自社が提供できるもの何か? ということを考えていきます。例えば「提案力」ですよね。戦略デザインラボは経営支援や事業計画の策定支援を行なっているので、提案力はとても強いです。となれば、一番の価値はそこにあります。

さらに、客単価と提供価値向上のため、今すぐできることは何か。新しくサービスを提供したりサービス同士をくっつけることもいいですが、その他にもやり方はあります。今あるサービスの見直しを行う、より良いサービスにするにはどうすれば良いか、例えば従業員のスキルを生かして提案型のサービスを増やすとかですね。
よくあるのが事前のヒアリングやカウンセリングです。その他に、アフターフォローや保守点検などをつける方法もありますね。これらが客単価と提供価値向上につながります。

最後に、組織を巻き込むために必要なあるべき姿は何か。お客様目線で、顧客目線で組織に落とし込むことは重要ですが、その先の「あるべき姿」が不明確だと、やはり上手くいきません。カットさんのBe Freeでは、そのあるべき姿を「自分たちの技術や品質をもってお客様の悩みを解決してあげたい」「全国に広めていきたい、世界に広めていきたい」という部分からひも解いていきます。

ツヤツヤサラサラの髪になった。おそらくお客様はその向こうに、叶う願望があるわけですよね。例えば彼氏に褒められたい、旦那さんに綺麗な髪だねって言われたい、またはお友達に「すごくツヤツヤな髪だね」と言われたい。そういった願望があるはずです。
そこが一つのポイントです。自分たちがあるべき姿に進むポイントとなりますので、お客様の目線から自社のあるべき姿を考えてみてください。

では全10回の講座、これで完結となります。
「脱プレイヤー」。中小企業にとってとって大きな課題です。課題ですが、しかし講座で学んだことを順序立てて実践に移せば、脱プレイヤーは十分に可能です。人が足りないといったこともあるかと思いますが、まずはそのようなネガティブ要素は置いといて、経営戦略、マーケティング戦略、これらをじっくり考えてみてください。
その上で今の自社の人材、キャパシティ、または他の経営資源を合わせ、どこまで対応できるか。どうやればこの施策が実行できるか、というのもあわせて考えてみてください。

では今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。

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脱プレイヤーバイブル

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