【新規事業の教科書 第十回】事業計画の完成と推進
皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。さぁ今日は「事業計画の完成と推進」。いよいよこの新事業展開も最後の講座となりました。結末はどうなったでしょうか。意外な展開もありますので、ぜひ楽しみにしてください。
投資回収期間の見直し
では早速参りましょう。前回は投資回収期間が長かったですよね、10年超えちゃってたので、もう一度計算し直してみましょうと。さて、すぐできました(笑)。中野さんもびっくりですね、実は岡田さん、すごく能力があるんですよ。
では何が足りなかったかは、また最後の方でお話します。この計画だと、投資回収期間は7.2年であると。十分に勝負できる数字ねと中野さんが言っています。先に前回の計算だと、客単価がちょっと低いかなと思いました。
実際は7,000〜8,000円ぐらいいけるんじゃないかという目論見がありましたので、そこを修正して、はい投資回収期間は7.2年。これだったら十分に勝負ができる数字です。この数字をもとに、金融機関からの資金調達を決めましょう。
自己資金も合わせ、だいたいの金額を算出しました。これをもとに、社長に見せてフィードバックをもらってねというところで、収益計画が決まりました。岡田さんもここで言っていますが、経営のことをこれだけ考えたのは初めてだと。実はこれ、とても重要なんです。なぜ重要かは後でご説明いたします。
経営人材に必要なもの
そして3年後の舞台ですね。山野辺さんがなんか喋ってますね。講演しています。海外にも展開したということで、新事業はかなりうまくいっているようですね。山ちゃん、だいぶ立派になっちゃってと中野さんが言っています。そこに山野辺さんが現れて、想定の計画をだいぶ上回っていると話しています。ここ重要ですね。
これがやはり、事業計画を作ることのメリットです。後でその計画に対して上振れしているか下振れしているか、これがちゃんと分かる。下振れしていれば当然、原因を突き止めて改善をしなければならない。上振れている場合は、なぜ上振れているかの理由を突き止めて、収益ポイントさらに伸ばしていく。こういった分析ができるようになるので、事業計画は絶対に作ってくださいということですね。
そして社長は、俺の頑張りというよりは社員みんなの頑張りだ、特に岡田だと言っていますね。マーケティングを勉強した、つまり山野辺食品で弱かったマーケティングという部分を岡田さんが自分が頑張って補ったということですね。
弱みを克服したということです。そしてもう一つ、マネージャーとしても相当成長した。プレイヤーとしてだけではなく経営人材として動くとなると、マネージャーとしての能力も必要です。
なので、プレイヤーとマネージャー両方の能力が高まっていくと、経営人材としてはとても優秀な方になるということですね。ここでびっくりなんですけども、中野さん、岡田さんと結婚してますね。これはびっくりの展開です(笑)。ただお似合いな夫婦だと山野辺さんも言っています。
新事業展開のまとめ
今日は全体の総括をやっていきましょう。まず、新事業展開の場合はいろんなフレームワークを使います。なのでこのフレームワークさえ覚えていれば、事業計画を作るのはそんなに難しくないんですね。
目標設定と現状分析は、PEST分析やSWOT分析を使う。課題設定と経営戦略は、クロスSWOTで導き出す。で、そこからマーケティング戦略を考えていくには、3C分析やSTP分析を活用する。マーケティングの具体策を考える場合は、マーケティングミックスの4Cと4Pで考える。
それから必要経費と実施体制と、あとスケジュールもありますね。実施体制を入れると、事業がどんどん明確になる。そして最後に収益計画で、本当にこれはいける事業かどうかを計算していく。
ここで注目なのは、収益計画でどうしても計算がきつい、つまり投資回収期間が短くならないというケースがあります。その場合は、外部専門家などの力を借りて事業をもう一度見直すか、きっぱり諦める。この判断も重要です。
危ない計画というのは、やはりこの収益計画でどうしてもつまずいてしまいます。なので、収益計画がうまくいかなかったら、もうそれは大変難しい事業だとご理解ください。
最後に、経営人材のお話です。
経営人材って何でしょう? 一つは、アイディアと根拠をもとに事業計画を完成させる能力を持つ人。これ以前も言いましたが、根拠というものはとても大事です。とくにマーケティングでは根拠や分析というのは大事なんですが、ただそこにデザインやアートなどの思考がないとアイデアが出てきません。
アイデアが出ないと他社に真似されやすい計画になってしまいますので、そこは絶対に経営人材として必要なところです。根拠や論理だけではなくて、直感や経験、こういったものが必要となります。
もう一つは、課題に向き合いながらプロジェクトを実行し、目標を実現させる人。冒頭で話しましたが、岡田さんに何が足りなかったと思いますか? さあわかりますかね。その答えは、経営に対する経験や知識、これがなかったということです。これには理由があります。社員の方って経営に関して携わる機会がとても少ないんですよ。
少ないからどうしてもこの能力は伸びない。伸びないからこそ、例えば経営人材を育てたいのであれば、こういった事業計画などを任せてみてください。
今回は新事業展開なので新事業の計画だったんですが、今の事業、今の経営を見直すための経営計画を作っても構いません。とにかくまずはやらせてみる、知識をつけさせる、そして最後に経験させるということですね。
もしあなたが経営者ではなくて社員の方であったとしても、これは絶対覚えてください。経営は経験しなければ、知らなければできないことが多いです。なので経営人材になりたい、もしくはですね経営人材としての知識とか経験をつけたいのであれば、積極的に機会を掴んでいってください、チャンスを掴んで、そして自分のものにするということをぜひやってみていただきたいと思います。
いかがでしたでしょうか。今回は新事業展開というお話でしたので、いろんなフレームワークが出てきました。全部は覚えなくて構いませんので、一つでも二つでもですね、まずはしっかり身に付けてみてください。
そのために実践ワークという講座がどんどん出てきますので、その実践ワークで実際に落とし込んでみてください。
今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。
新規事業の教科書
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