【仮説思考と本質思考 第二回】本質思考
皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さぁ今日は「本質思考」前回は「仮説思考」をやりましたね。今回はその仮説思考と密接に関わる「本質思考」これを皆さんと一緒に学んでいきます。
需要と供給のバランス
早速漫画に進みましょう。
前回の続きになります。佐久間さんが「そもそも商売って何かわかるか?」と松本さんに聞いています。松本さんは「モノを売ることですよね」と答えながらも「広告屋はモノを売ってるわけじゃない...。課題解決をしてあげている」と。お客様の「売れるようにしたい」という課題を叶えてあげているのですね。
そこで「相手にできないことをしてあげている。だから対価をもらえる」ということに気づきました。これは確かに良い考えですよね! モノを売っているわけではない、課題を解決してあげている、お客様の悩みを解決してあげているサービスだということですね。
商売というのは「需要と供給」、つまり売り手と買い手で成り立っています。これは当然ですよね。
これが貨幣が生まれる前、つまりかなり昔、原始時代や石器時代のときにはどうなってたかと言いますと、物々交換をしていたわけです。魚をとる人、木の実をとる人、それぞれ役割が違いますので、コレは私にできないからコレと交換してくださいと。
例えば木の実をとっている人が魚を取れないとしたら「魚と私の木の実を交換してください」と。その逆もしかりですね。
そういった物々交換の時代があったわけですが、ここに貨幣が出てきました。つまりモノを直接交換するのではなく、お金を介在させることで、需要と供給がマッチしやすくなったのですね。
これは例えば物々交換ですと、相手の交換するものが実は欲しくないかもしれませんよね? そういったミスマッチがあったのですが、お金を介在させることで、そのミスマッチが無くなったということです。
人間の本能
お金を出せば相手は様々な物をくれるので、逆にこちらは様々な物を売れば、お金が手に入る。モノじゃないからこそ、このお金を挟んでいるからこそ、色々な需要と供給がマッチしやすくなったのです。
そして人間は、昔から「満足を知らない生き物だ」と言われています。例えば美味しい魚を食べたい・もっと着飾りたい・もっとラクをしたい...当然こういった欲がありますよね?
するとそれに応えるように、色々なモノが生まれます。
そしてモノが溢れると、次は何が流行ったのか? サービスですね。モノが溢れた次は、情報やコンテンツサービス、こういったものが価値を生み始めました。
ここで佐久間さんが左下で言っていますが、原始時代から人間の本能は変わらないのですね。
だからこそ、そこをくすぐることが大事なのです。
それはどういうことかといいますと、漫画にある「7つの罪」。これはいわゆる宗教間の世界なのですが、①憤怒〜⑦暴食までこういった人間の欲などで「本能」があります。これを刺激するサービスは非常に当たりやすいと言われています。
例えば右下を見てください。松本さんの休日も七つの罪に満ちているだろ? と。
暴食のUberEats、怠惰のYouTube、そしてInstagramを見て嫉妬し、憤怒をTwitterにつぶやく...実際こういう人いますよね(笑)
このように、こういった人間の本能をくすぐるサービスというものは、非常に当たりやすいと言われているのです。
原理原則と仮説
これは現代だからではなく、原始時代からほとんど変わりません。ずっと不変にあるものだからこそ「原理原則」なんて言われております。
漫画右上で「人間の欲求にも原理原則があるはずなんだ」と松本さんが佐久間さんに言われていますね。つまり変わらないものがあるはずだと。
そういったものを学んでみると、色々な視点から原理原則が見えてくる。そしてそこから「〜なんじゃないか」と仮説がもてます。
つまり先程の内容ですと、「人間の本能は基本的に原始時代から変わらないんじゃないか?」「...だとすると、その本能をくすぐるサービスを出せばヒットするんじゃないか?」というのが「仮説」になります。
こうすると、本質思考と仮説というものが非常に密接であることがよく分かるかと思います。少し難しいかもしれませんので、この後もう一度解説してまいりますね。
本質思考とは
では今日のまとめに入ります。
まず「本質思考」とは「そもそもを問う」。つまり何かを見たときに、それって何なの? という問いかけをするわけです。
そうですね...例えばタピオカブームがありましたね。タピオカブームを見て、タピオカが流行っているんだなと。それだけではなく「なぜタピオカが流行ってるだろう?」と考えます。すると色々なことが見えてきます。
その中の共通する性質、つまり昔のブームにも同じような「共通するもの」がなかったか? というものを見つけていきます。
そうすると、その原理原則に気付くわけですね。ブームを起こす要因、つまり「こうやればブームが起きるんじゃないか?」という要因が見つけやすくなります。
その中で一番下に書いてある「具体 → 抽象 → 具体」といった往復活動をしていきます。
これはちょっと分かりづらいかもしれませんので、一番最後でまた解説します。
本質思考とは「そもそもを問うこと」。また「共通する性質を見極めること」だと覚えておいてください。
そして「需要の本質を探る」。つまり人が”買いたい”と思う本質ですね。
これは「視点」から見ていきましょう。もし原始人だったら、どんなサービスが欲しいか?
「原理原則」としては、商売は需要と供給のマッチングで成立・発展しています。
これらをもとに考えてみると、
・人間の本能はいつの時代も変わらないはずだ
・「7つの大罪」飽くなき人間の欲望だ
・これらをくすぐるサービスはヒットする可能性がある
この「ヒットする可能性がある」が仮説ですね。つまり、スタートは本質思考で考えて、最後に仮説を導く。「〜なんじゃないか?」ということですね。
具体→抽象→具体のプロセス
そして最後に「本質思考と仮説思考」ですが、この「具体 → 抽象 → 具体」という考え方。これを覚えると、かなり使えます。すぐにできなくても、この練習をしてみてください。
例えば一番初めの「具体」は、何かを見たときに(そもそもを問うわけですね)「これって何なんだろう?」と考えます。すると、それに対する何か原理原則が見えてくるかもしれません。
その時にフレームワークなどを使います。例えば先程のブームだとしましょう。ブームでしたらマーケティングのフレームワークが使えるわけです。「なぜこれがブームになったんだろう? ひょっとしてマーケティングの視点で見たら、こういう原理原則があるんじゃないか?」と。
これが「抽象」と言われています。
つまり具体的な何かを見て、それを「これってフレームワークで考えたら、こういうことなんじゃないか?」つまり原理原則があるのではないか? というのが抽象で、その抽象をもとに、これは自分の仕事ならこういうことに活かせるのではないか? こう使えばお客様が来るのではないか? と活用するのが、次の具体の部分で「仮説思考」ですね。
これは流れだけでも覚えていただいて、普段から使っていかないと、なかなかマスターすることはできません。
なので最初に何かを見たとき、例えばテレビをダラ〜っと見るのではなく、何か気になったことがあったら「これってそもそもどういうことなんだろう?」という問いかけを必ずしてみてください。例えばバラエティ番組のワイプも、なぜこんなところに顔を小さく出すんだろう? と考えると、原理原則が見えてきます。
そうすると、次の抽象・具体というところが繋がっていくことができますので、まずは「そもそもを問う」ということをやってみてください。
いかがでしたでしょうか? 今日は「仮説思考と本質思考」の中の「本質思考」にフォーカスを当ててみました。
この2つ、仮説と本質はかなり密接に関わるということだけは今日覚えておいていただいて、その中でも「具体 → 抽象 → 具体」という考え方のプロセス、まずは使いこなせなくても構いませんので、一旦覚えておいてくださいね。
では今日の講座は以上となります。また次の講座でお会いしましょう。
仮説思考と本質思考
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