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【中小企業の成功事例】善意の支援から広がる収益の仕組み

こんにちは、中小企業の戦略ラボ統括講師の岡本です。
今回は、善意の支援が売上と利益の大幅な増加につながった事例をご紹介します。

1. コミュニケーションによる集客事例(北海道北見市 株式会社 北映 Northern Films)

北映 Northern Filmsさん(以下、北映さんとします)は、北海道北見市で映像制作の事業を行う個人事業主さんです。
地元だけでなく広域にわたり仕事を受注していたものの、コロナ禍の影響による移動制限で打ち合わせが困難となり、売上が大きく減少しました。
そしてコロナ禍の影響は映像制作の業界だけでなく、地元の飲食店にも大きな影響を及ぼしました。
特に北海道は観光客からの収益が大きく、その観光客がコロナ禍で途絶えてしまった地元の街は、常に閑散とした状態になってしまいました。

自身の映像制作も厳しいけど、地元の店はもっと厳しい…。
そう思っていても、やはり自身の仕事を優先してしまいがちですよね。
しかし北映さんは、「このままでは地元の店が無くなってしまう」という危機感から、自身の仕事よりも地元の店を無償で支援することを選びました。

※「2021年版 中小企業白書・小規模企業白書より引用」

これは普段事業を行なっている方から見れば、とても勇気のいる行動です。
自分の収入はゼロ、そして経費もかかる。
それでも地元店舗を支援するのは、やはり「地元がもっと活気付いてほしい」という想いが先行したからでしょう。

その結果、北映さんの映像技術が口コミで広がり、結果的に地元事業者から多くの依頼が舞い込みました。
もちろん無償ではなく、有償での仕事です。
売上も順調に伸び、コロナ禍の前よりも大きく増加したそうです。

今回の成功事例は、非常に特殊なケースに見られがちです。
しかしわざわざ中小企業白書がこのケースを取り上げたのには理由があります。
それは、「地域活性化」の典型的な成功事例だからです。

2. マーケティング観点のコミュニケーション

みなさんは普段営業する際に、地元と地元以外のどちらを優先しますか?
おそらく地元を優先する方が多いでしょう。
しかし、普通に売り込んでもなかなか契約してくれませんよね。
そんな際に今回のような「コミュニケーション」が大きく寄与します。

コミュニケーションは、マーケティングの中でも非常に重要な位置を占めます。
従来は商品・サービスが良ければそれなりに売れた時代ですが、今後はありふれる商品・サービスの中から自社の商品・サービスを選んでもらわなければなりません。
つまり、まずは「知ってもらう」必要があるのです。

しかしここで問題があります。
「知ってもらう」という手段も、今やありふれている時代です。
広告、チラシ、ブログ、SNS、YouTube…
効果があると見るや大勢が真似し、すぐに大衆化してしまう。
そして情報を取得する側はありふれた情報を毎日受け取り、もはや何が良いのか分からない。
そんな時代だからこそ、コミュニケーションが重要となります。

3. 双方向コミュニケーションの重要性

コミュニケーションとは、マーケティング・ミックスというフレームワークのうち「顧客側の視点で見た宣伝手法」です。
逆に「事業者側の視点で見た宣伝手法」は、プロモーションと呼ばれています。

この二つ、何が違うか分かりますか?
実は大きく違う点があるのです。
それは、プロモーションが事業者からの一方的な”情報伝達”に対し、コミュニケーションは顧客との双方的な”情報交換”なのです。

情報伝達と情報交換では、かなり違いますよね。
普段の会話でも同じです。
一方的に喋る人より、こちらの話を聞きながら楽しく会話してくれる人の方が好感が持てます。

北映さんの場合、無償で映像制作を行うという行動がコミュニケーションのきっかけになりました。
地元事業者と密に会話を交わし、コロナ禍のもとでどのような映像を作ればお客様を獲得できるか。
それを真剣に打ち合わせ、互いに悩み、協働で映像を作り上げたからこそ、顧客からの紹介や口コミが生まれたのだと考えます。

前述の通り、コミュニケーションは「双方向」であることが需要です。
例えば、クラウドファンディングはその際たる例でしょう。
クラウドファンディングは資金調達という目的の他に、テストマーケティングという目的もあります。
つまり、新たな商品やサービスを本格展開する前に、需要がどのくらいあるのかを分析することができるのです。

これは単に顧客数で測るだけでなく、コミュニケーション量でも測ることができます。
お客様が応援してくださる、価値を認めてくださる。
すると商品・サービスのブランド価値をさらに高めることができます。

昔はプロモーションが重視される場面が非常に大きかったです。
つまり性能の良い商品を売るため、いかに顧客にとって刺さる広告を展開するかが重要でした。
しかし今後はお客様との対話、つまりお客様がその商品に価値をどのくらい感じているかを測るため、コミュニケーションが重要だと言うことです。

4. さいごに

今回の成功事例は、無償で地域事業者を支援したことがコミュニケーションにつながりました。
しかし無償にしなくとも、コミュニケーションをとれる機会は多く存在します。
例えばSNSであったり、リアルの交流会であったり、イベントであったり。
その方法は商品・サービスによって様々ですが、コミュニケーションを重視するほど顧客起点のマーケティング、つまり今後の時代に必要な「お客様にとって本当の価値は何か」を定めることができます。

既にお客様を抱えている方は、明日にでもお客様とのコミュニケーションを増やしてみてください。
まだお客様を抱えていない方は、市場でモニターを集めたりクラウドファンディングを活用したりしてお客様の声を集めてみてください。
そうすることで、徐々に顧客起点のマーケティングを行うことが可能となります。

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