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【中小企業の成功事例】消費者向け市場で売上を劇的に増やす

こんにちは、中小企業の戦略ラボ統括講師の岡本です。
今日は「中小企業の成功事例」シリーズで、新たなお客様を獲得した石材会社の事例を解説します。

1. ポジショニング思考の事例(岐阜県高山市 有限会社 砂原石材)

「売上を増やす」。
これは中小企業の社長さんであれば、本当に頭が痛いお悩みでしょう。
だからこそ、今回の成功事例にように売上を増やしたケースはとても参考になります。
しかし、単に売上を増やすだけでは逆にピンチを招いてしまうことになりかねません。

地方の石材会社さんがなぜ成功したのか?
そこには売上増加の方法だけでなく、さまざまな戦略と戦術が組み込まれていました。
では早速、成功事例の分析を行っていきましょう。

※「2021年版 中小企業白書・小規模企業白書より引用」

岐阜県高山市にある「有限会社砂原石材」さんは、墓石関連を中心に石材加工を手がけています。
墓石を作りには、採石→切断・加工→研磨と、それぞれの作業において技術やノウハウを必要とします。
このため、石材の調達や切断・加工・研磨において砂原石材さんは大きな強みを持っていたと言えるでしょう。

しかし、ここで注意点があります。
技術・ノウハウを持っているのは、もちろん他の石材会社も一緒です。
そもそも技術・ノウハウがなければ競争に負けてしまいます。
つまり、砂原石材さんの強みはライバル会社も当然に持っている強みであり、唯一無二ではないということですね。

ここが自社の分析でよく陥ってしまう部分です。
自社の強みは「技術・ノウハウである」。
これはもちろん強みでありますが、先述のとおりライバル会社も持ち合わせている強みです。
逆にライバル会社の方が技術・ノウハウを持っているかもしれません。

だからこそ、「自社の強みを最も活かせるポジション取りを行う」ことが何よりも重要なのです。
この考えを「ポジショニング思考」と言いますが、このポジショニング思考が抜け落ちてしまうと、「うちの商品(サービス)はどこよりも優れている」という考えが先立ってしまい、無闇に商品・サービスの品質を高めてしまう方向へ向かってしまいます。

それは間違いではありませんが、どちらかといえば「製品志向」、つまり作り手目線の戦略になってしまいます。
ではこのような場合、戦略をいかにして組み立ていくか。
それが「顧客志向でポジション取りをする」、つまりポジショニング思考に立つということです。

2. ポジショニング思考のポイント

砂原石材さんでは、既存事業で飲食店向けに焼肉用調理器具を販売していました。
この調理器具を活かせないか?という視点に立ったところ、2つのポイントが見えてきました。
1つは「飛騨」という立地…朴葉味噌が有名で、網の上で焼いた朴葉焼きが思い浮かぶのではないでしょうか。
そしてもう1つは「巣篭もり需要」と「アウトドア需要」…バーベキューがキャンプ場でも家の庭でもブームです。

自社の強みである「石材の技術・ノウハウ」、地域の強みである「網焼きのイメージ」を活かし、市場のチャンスである「バーベキュー」の需要を掴む。
この戦略が今回の大きな成功要因であり、そして成功の戦略を導いた要因は「ポジショニング思考」です。
つまり今までの強みを活用しただけでなく、自社のポジションを変えたという点に成功のポイントがあります。
一緒に見ていきましょう。

まず、既存事業では墓石の加工や設置、飲食店向けの焼肉用調理器具を販売していました。
これは企業向けであり、ライバルがひしめく上に価格競争が激しい市場です。
これに対して個人向けの焼肉用調理器具は、ライバルこそ多いですが価格競争に関してはそこまで激しくありません。
さらに砂原石材さんは、飛騨という立地を活かして「飛騨溶岩プレート」という名前の焼肉用プレートを販売し、独自のポジションを築きました。

つまり、朴葉焼きのイメージがある飛騨高山の立地を活かし、「飛騨溶岩プレート」といういかにも美味しく焼けそうなネーミングを商品名としたところに、私は成功のポイントがあると考えています。
これは「他社の商品と明らかに違う」というイメージを消費者に持たせたことで、独自のポジションを築いたと言えるでしょう。

もちろんそれだけではありません。
販路を自社Webサイトに加え、大手ECモールに出店したことで認知度を獲得しました。
ECモールで販売すると目先は利益率が減少しますが、長期的には商品の認知度やブランドの点で有利になります。
そして製造・加工においても従業員教育を行なったことで、増える注文数にも対応できる体制を整えたようです。

今回の成功事例は「利益=売上−費用」のうち、売上の増加を目指したケースです。
戦略ラボでは、売上を増やすのは体制を整えていかないと難しいと解説しています。
しかし砂原石材さんは上手くいきました、一体なぜでしょうか?

3. ポジショニング思考の成功要因・注意点

それは、前述の「従業員教育」です。
例えばこれが少数の職人さんしか作れない物であれば、おそらく増え続ける注文に対応できなかったでしょう。
しかし砂原石材さんは、従業員教育により注文数に対応できる体制を整えました。
実はこれがすごく大事な視点です。

多くの成功事例では、「売り方」に注目します。
しかし売上を増やすということは、それだけ現場の負担が増加します。
このため、売上が増えたにもかかわらず現場が崩壊して会社が傾いた、といった例も実際にあります。

例えばこんな事例があります。
とある和菓子店では、SNSを活用して自社新商品の紹介を行ったところ、想定した以上の大反響を呼びました。
1日に何百件という注文が舞い込んできて、さぞかし儲かったと思いきや…製造現場が大混乱に陥り、注文を全く捌けなかったそうです。
当然ですがクレームの嵐になり、現場は疲弊し、職人は辞めていってしまったそうです。

このように、売上を増やすと自社の負担も大きく増加します。
だからこそ売上増加の戦略を目指す際には、売上の増加に対応できる業務体制の構築も必要なのです。

4. さいごに

今回の記事のまとめです。
砂原石材さんが成功したポイントは、
①自社の強みや既存事業を上手く活用したこと
②市場の機会、つまりビジネスチャンスをしっかり掴んだこと
③ポジショニング発想で「飛騨」という立地をブランドに活かしたこと
④注文数の増加に対応できる体制(従業員教育)を整えたこと
です。

こうしてみると、綿密に練られた戦略であることがよく分かるかと思います。
もちろん最初から全て想定していたわけではないでしょう。
しかし結果的に、中小企業にとって理想の戦略となったことは明らかです。

最初から全ての戦略を決めずに、状況に応じて戦略を修正していくことを「創発戦略」と呼びます。
これは非常に不安定かつ多様な価値観がひしめく現代において、必須の戦略とも言えます。
1年かけて細部まで詰めた計画より、1ヶ月で骨格だけ決めて後は状況に応じて修正を図る計画のほうが、圧倒的に上手くいきます。
その際に重要となるのが分析、つまり検証と改善の元となるデータを調べることです。

いかがでしたか?
中小企業の成功事例も、こうやって見ると本当に学ぶべきところが沢山あります。
「なぜこの企業は上手くいったのか」と問いかけ、さまざまな分析を行ってみてください。
戦略ラボでは、このように中小企業の成功事例を多角的に分析する思考を養うことができます。
ぜひ14日間の無料体験でお試しください。
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