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4. 【自己管理能力を鍛える 第四回】レジリエンスを身につける
【自己管理能力を鍛える 第四回】レジリエンスを身につける
皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。さぁ今日は「レジリエンスを身につける」ですね。レジリエンスという言葉、聞いたことありますか? 「BCP=事業継続計画」という災害対応の計画がありますが、そこで「レジリエンス」という言葉が出てきます。
レジリエンスという言葉、基本的には「耐性をつける」という意味です。今日はその、レジリエンスの身に付け方を学んでいきましょう。
居心地の良い場所から抜け出すには
前回から象と象使い、つまり感情と理性の関係を学びました。それからどのように感情と理性をコントロールしていくかということも学日ましたが、今回の漫画ではその先のお話です。
冒頭で「象がずっとやる気でいてくれるようにするにはどうしたらいいんですか?」と天龍さんが聞いています。小川さんがそれに対して、「そもそも人間ずっとやる気満々でいられるものなのか」と疑問を呈しています。諏訪さんはこれらの問いに対し「ノー」と言っています。
ちなみに私も「ノー」と答えます。というのも、いわゆるモチベーション・やる気というのは、高めようと思ってなかなか高められるものではありません。なので、基本は「下げないように努力をする」ということが重要です。
今日はその話は深く突っ込みませんが、人間は常に感情の波があります。その感情の波に引っ張られて自己管理というのが難しくなります。人間は基本的にコンフォートゾーン、つまり居心地の良いところに留まりたくなる生き物です。
そこから抜け出すというのはパワーが要ります。ではコンフォートゾーンから出ようと思った時はどのような時かというと、何か危険を感じたときですね。何かのきっかけがあって初めて動く。そうでなければ、なかなか出ようとはしません。
漫画の下のところを見ていきたいのですが、部下のマネジメントに叱責や恫喝を使うリーダーも多いですよね。何やってんだ今月目標未達じゃねぇか! 契約取ってくるまで帰ってくるな! とかですね。昔はこんな上司結構いましたよね。
ただ、そういった恐怖政治は結局のところ、全然続かないのは分かりますよね。じゃあどうすればいいかというと、「自分にポジティブなアイデンティティを植え付けていく」ということです。
自信とレジリエンス
それはどういうことかというと、まず理性が迷わない明確な道筋をつくるということ、そしてその道筋において一つ一つ達成したことを喜ぶということですね。つまり理性というものは、あれこれ余計なことを考え過ぎてしまうので、そうならないように自分に耐性を作ることが重要です。つまり、「レジリエンス」です。
漫画の右下部分を見ていただきたいのですが、感情は報酬があってできると思えることには意欲的に取り組めます。よく自分にご褒美をあげると言いますが、この戦略ラボでも「自分にご褒美をあげる」講座内容がありましたね。そういう報酬は結構大事です。
そして「できる」という自覚が芽生えてくると、「自分はプロフェッショナルなんだ」と思えるようになります。そうすると仕事に対しても、適当なことはできなくなりますよね。その自信が「レジリエンス」には必要です。
最後に天龍さんが「ポジティブなアイデンティティで仕事したいです」と言い、小川さんは「日々の小さな習慣から見直します」と言っています。小川さんの良いところは、自分の分析ができているというところですね。良いときは調子に乗るけど、悪いときにはふてくされる。これを踏まえて「自分をコントロールできるようになりたいです」と話しています。自分を客観的に分析することは、何よりも重要です。
プラスの感情を作ろう
では今日の解説に進んでいきます。まず、プラスの感情を作るコツですね、先ほどもお話しましたが、モチベーションをあげるのはとても難しいです。なので下げないような努力をする必要があります。下げないように努力をするためには、自分の感情と行動をコントロールしていくことが大事。感情と行動をコントロールするには、理性の悪いところ、つまり弱点をちゃんと理解して感情をうまく操っていくということが大事です。
そうすると、自己効力や達成経験が積み重なっていきます。自分がプロだという自覚が芽生える。そうすると、ピンチが起きてもビクともしないレジリエンス、つまり耐性が身についていきます。
私も実はピンチの場面は結構あります。特に締め切りが迫ってくる仕事、これは本当にねもうヤバいと思いながらやるんですが、修羅場の数を重ねていくと、ここまでにやっておけば大丈夫だなという「耐性」がつきます。
もう一つぶっちゃけますと、実は私、喋りがそんなに得意じゃないんですよ。得意じゃないんですけども、もう本当に年間何十回と人前で喋っていると、ある程度のイレギュラーが起きても冷静に対処できるようになりました。
そのようなことがありますので、とにかく自己効力を高めていく、それから達成経験を積み重ねていくということを続けていくと、ピンチをものともしない「レジリエンス」というものが身につきます。
そして最後のスライドですが、モチベーションの波があります。
独立して最初の頃の私もこういう感じでした。セミナーのアンケート結果で一喜一憂したり、自分の仕事の出来で一喜一憂したり、それはそれで別に悪くはありませんが、ただどうしても感情の起伏が激しくなります。
基本的に波を抑えることはできませんので、じゃあ波があっても一定に抑えるにはどうすればいいかというと、やはり先ほどの「積み重ね」というところがとても大事になります。レジリエンスを構成する5要素、これはぜひ覚えてください。これがあるとレジリエンスは確実に身に付きます。身についていくと、感情の起伏が小さくなります。
レジリエンスに必要な五つの要素
ではレジリエンスの5要素とは何かというと、
一つ目:感情、情動のコントロール力。理性でいかに感情を操っていくかということが大事です。
そして二つ目:自己効力感。これ前々回ぐらいの講座でお伝えしましたが、自己効力感はレジリエンスを高めるためにとても大事です。
続いて三つ目:楽観性。何とかなるという気持ちですね。そればかりだとあまり良くありませんが、ただある程度の楽観性は必要です。あれもやらなきゃこれもやらなきゃ…ってなると、どんどん泥沼にはまっていきます。このような場合は一度気持ちをリセットして「何とかなるか」「1からもう一度考えよう」ということをやってみてください。
さらに四つ目:自尊感情。自分はできるという自信にもつながるところですが。自分が必要とされている存在である、または自分ができる存在であるということ気持ちの持ち方を、ある程度持つのが大事です。ただあまりにも自尊感情が強いと他人と衝突する可能性があるので、ほどほどにしておきましょう。
最後に五番目:良い人間関係。これは当然ですよね。働き詰めでちょっと息抜きしようという時に、普段から気の許せる仲間と飲みに行ったりするとリラックスできますし、心も穏やかになります。
そういった人間関係をどんどん作っていくというのも大事ですね。裏を返せば、あまりにも価値観が合わない人とは距離を置くことも考えてください。
では今日の講座は以上となります。これで自己管理の四つの講座が終わりましたが、いかがでしたか?
ご自身に当てはまること、結構ありませんでしたか? 実は私も結構あります。私もありますので、みんながみんな完璧にできるわけではありません。だからこそ、一つ一つ出来ることを積み重ねていく、そして最終的には「レジリエンス」を身につけてみてください。
ではまた次の講座お会いしましょう。
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