【5Sから始めよう 第四回】清掃清潔をしつける
皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さあ今日は「清掃清潔をしつける」ということで、5S のうち「整理・整頓」は前回までの講座でやりました。今日は「清掃・清潔・しつけ」です。「+仕組み」というところもぜひ頭の中に置いてみてください。
清掃の習慣づけ
では早速漫画に進みます。
「それでは今週もしっかり締めましょう!」ということで、何かが始まりましたね。何かというと...「うちの会社では週末の就業前10分は5S チェックの時間にしているんです」と言っています。
この「5Sチェック」、いきなりやっても上手くはいきません。
「気づいたらすぐ清掃はだいぶ浸透したから、スムーズにできるようになりましたよ」と言っているように、まず「気づいたらすぐ清掃」という取り組みからやり始めたのですね。
だからこそ5Sチェックもスムーズにできるようになったということなのです。
「気づいたらすぐ清掃」はどのようにやったかというと...
昔は「掃除をしよう」と言うだけだった社長が、現場の目線で「誰でも簡単にすぐできる」ようにしたようです。すると清掃が定着したと。
漫画をよく見ていただくと「道具はすぐ使えるところに置く」工夫ができていますね。これ結構重要です。
例えば汚いところがあったとして、いちいち掃除道具を出してきてやるとなると、出す手間や片付ける手間もあります。ですがこの漫画のように、すぐ使える所にあると、サッと取り出して使い、またすぐ戻せるので、そんなに労を要する必要はありませんよね?
結果、上手く定着していったということです。これが「仕組み」というものの一つですね。
現場の見える化
そして「小さな子どもを呼べる工場にしようと、働く場所をオープンにしたのもすごく効果的でした」と。
こういうのは「製造現場の見える化」なんて言いますよね? そうすると、清掃が行き届いていなかったり、物が散らかっていたら危ないです。そして工場内が汚なければ、当然それを見た人は「なんでこんな汚い工場なんだ」となります。だからこそ、見える化することで皆さんの意識にもつながっていくということです。
松本社長が「身だしなみもすごく改善しましたよね」と。
実際見られる側になって、すごく汚い格好をしたまま子供たちに見てもらうなんて嫌ですよね。だからこそ、みんなが「しっかりしなきゃ」という意識が働くのですね。
外からの視点を介在させる
また「おかげさまで、商談相手に工場を見学してもらうと高確率で成約するようになりました」と。
この「製造現場の見える化」というのは、こういったところですごく効果があります。、ルールを徹底して当たり前の基準が高いと「信頼」してもらえるのですね。これは当然です。
「当たり前の基準、諏訪さんもよく言っています。そのためには”外からの視点”が必要だって」と天龍さん。自社からの視点だけでやっていても、やっぱり人は誰かに見られていないと、あまりちゃんとやらないものです。
皆さんもそんな事はないですか?
例えば勉強するとき。自分だけでやると、どこかでだらけてしまいますよね。ですが人の目があると、結構頑張ってしまいませんか?
ですから、やはり色々と外からの視点を入れてしっかりとやっていく。すると先程のように商談相手に工場見学してもらうということで、契約にもつながってくるということですね。
納得感を持たせる
ここまで「整理・整頓・清掃・清潔」をやってきましたが、これを「しつけ」という言葉でまとめます。
ただそれは「納得して当たり前になる」、この納得感がないとみんなやりませんよね?
私だって同じです。「何でそんなことやんなきゃいけないの?」という気持ちになります。だからこそ、納得してもらうまでしっかりとやっていく必要があります。
「はじめは根気強く言い聞かせる必要がありますが、環境とルールを整えて、上司が行動で示せば習慣になりますね」と。
ここで大事なのが「環境とルール」。これをやらずに、いきなり「整理・整頓・清掃・清潔」だと実行しても絶対に定着しません。この「環境とルール」を整えていかないと、こういうものは定着せず「しつけ」としてならないのです。
加えて、この「環境とルール」というものは一つの仕組みです。だからこそここでも「仕組み」が必要だということですね。
「帰ったら早速整理から始めてみようか」と、マツアドでも取り組むようになりましたというところで漫画は終わっています。
5Sを仕組み化する
では今日の解説に進みます。
「清掃・清潔・しつけ」ですね。今日のまとめとしては、
「清掃」・・・きれいに掃除していつでも使える
「清潔」・・・誰が見てもわかりやすい
「しつけ」・・・ルールを守り、習慣づける → 納得して当たり前になるのがゴールだということですね。
そのために「仕組み」を活用する。その仕組みというのは「ルール」や「環境」になります。他にも何かマニュアルでもいいですし、とにかく仕組み化するというのが、この5Sが続く一つのポイントであります。
浸透させるポイント
そして最後「5Sを浸透させる3ステップ」ということで、
①環境とルールを整える・・・これは仕組みの一つです。
②行動で示す・・・つまり、上司や社長がやらなければ、現場なんてやりませんよということですね。
③根気強くチェックする・・・これも重要です。行動で示しても、みんながやっているかどうかは分かりません。それではダメですよね? なので何回もチェックをして「ここは出来ていない」「やっていきましょう」というのはとても大事となります。
いかがでしたでしょうか? 最後に少し蛇足になりますが「根気強くチェック」というは結構重要です。ですがみんなやっていません。
例えば「やるぞ」と言って仕組みを作り、上司が声掛けをするのですが、その後やったかやっていないかのチェックで、出来ていない会社さんが多いです。
この「チェックをする」の何がいいのかと言うと、「誰がやっていない」のかがもう一目で分かるようになります。
例えば、最初10人中5人しかやってない。5人しかやっていない状況をチェックし続けるていくと、どんどんやる人が増えていきます。6人7人8人と...
最終的に残り2人になったとしても、その2人もバツが悪くなってやるようになります。
これがとても重要です。これをやらないと絶対に途中でみんなやらなくなります。だからこそ「チェックする」ということもしっかりとやってみていただければと思います。
では「5S」の章は本日で終了となります。
また次の講座でお会いしましょう。
5Sから始めよう
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