【経営のヒント】再現性を生む商いの思考法
このマガジンを読んでおられるみなさんは経営者の方が多いかと思いますが、過去に【経営】についてしっかり学んだことがある方はどれだけいらっしゃるでしょうか?
職人気質で商売をやってこられた方や、代々の稼業を継いで経営者となった方などは、もしかしたらは経営の基礎について”本格的に学んだ”ことがある方は意外と少ないかもしれませんね。
上手くいっている経営も結果がイマイチな経営も、結果に対して必ず原因があります。
しっかりとした経営知識があれば、始める前から結果を想定した経営手法をデザインすることができますし、改善改良も可能です。
逆に経営手法をデザインせずに始めた場合は、もし上手くいったとしても偶然の繁盛ですから、再現性がありません。
戦略ラボの「そば職人、経営を学ぶ」というテーマでは、偶然の商売繁盛を「必然の商売繁盛」に変えるための基本の考え方から実践まで、面白くわかりやすく解説されています。
過去に経営について学んだことがある方もそうでない方も、改めて商売繁盛の基本をおさらいする機会として活用頂ければと思います。
以下では講座の内容を踏まえながら詳しく解説していきます。
1. 現状の結果から原因を探る
結果には原因が伴います。
業績アップを図るためには、まず始めに今の業績を知ることが必須となります。
今いる場所がわからなければ、永遠に目的地に辿り着くことはできないのです。
ですから、まずは現状分析をしましょう。
とはいえ、細かく分析しようと思ったらいくらでも時間をかけることができてしまいます。
細かい現状分析は並行してするとして、一旦シンプルに
✔ 実際に商品・サービスの購入者はどんな人物か?
✔ 何が人気なのか?
✔ なぜ人気なのか?
という質問から始めてください。
実際に顧客に訊いてみるのも良いでしょう。
2. マーケティングの根幹
ビジネスとマーケティングは切っても切り離せない存在です。
商品を顧客に購入してもらうには、マーケティング視点で経営手法をデザインする必要があります。
この際に「基本のき」となるのがマーケティングミックスと呼ばれる考え方です。
元々商売を仕掛ける企業側の視点で定義されていた4Pが
・製品(Product)
・価格(Price)
・場所(Place)
・プロモーション(Promotion)
で、その対となる消費者側の視点で定義されている4Cが存在します。
・顧客価値(Customer Value)
・コスト(Cost)
・利便性(Convenience)
・コミュニケーション(Communication)
ここでマーケティングの根幹となるのが【顧客価値】です。
なぜなら、買い手が欲しいと思わなければそもそも製品は売れないからです。
前章で御社の商品を実際に購入している顧客は誰なのか?何がなぜ人気なのか?【=顧客価値】を分析するようお伝えした理由はここにあります。
そして、業績アップ=売上・利益を伸ばすためには顧客価値をもとに「ターゲットを見極める」というステップが必須となります。
2-1.ターゲットを見極める
現状の顧客価値を分析したら、改めて【誰にどんな価値を提供するのかを見直す】というステップに進みます。
ターゲットと提供する(ターゲットが求めている)価値が明確だと、ターゲットに「選んでもらえる」ようになります。
商品を売る企業側としても、ターゲットに響くアピールポイントが明確になり経営判断もしやすくなります。
逆にターゲットが見極められていないと「お客さん全員に満足してもらいたい」という思いから、あたりさわりのない大衆向けのメニュー作りになる・・といったようなことが起こります。
そうなると、顧客にとっては他でも良いという格付けにされてしまいやすくなるのです。
イマイチ顧客からの手ごたえがない・・という場合は、そもそもターゲットが見極められていない可能性が高いでしょう。
2-2. 椅子取りゲームに勝つために
上述したように、競合をさしおいて顧客に「選んでもらう」ことが商売繁盛の肝となりますよね。
その為には顧客に対してコミュニケーションの質と量のアップを図りましょう。
コミュニケーションの質を高めるには
①商品の競合優位性を見直す
②ターゲットを狙い撃ちする
③想いやストーリーを伝える
コミュニケーションの量を高めるには
④発信を習慣づける
⑤伸びている媒体に乗っかる
⑥口コミをお願いする
というポイントが挙げられます。
特に、ターゲットに「私のための商品・サービス」と思ってもらえるような工夫が大切です。
例)
①みんなに喜んでもらえそうな大衆向けのそば懐石
一般的なそばメニュー
↑
「そばの気分だったら行くかな」・・・△
②IC付近の店舗なのでファミリーやトラック運転手がくつろげる憩いのそば屋
そば以外にもカレーなどの選択肢+セットメニューでボリュームUP可
↑
「家族向けで居心地が良いから行く・旨くてがっつり食べられるから行く」・・◎
まずは選んでもらった上で、商品・サービスに対して満足してもらえれば、また来てもらえる、というサイクルを生むことができます。
後編へ続く
ここまで、経営を考える上で最も重要といっても過言ではないターゲティングの基本についてご紹介しました。
御社は誰にどんな価値を提供する会社なのでしょうか?
もしかしたら過去に設定したターゲットと、現状の購入者に乖離があるかもしれません。
いまいちど社員の皆さんも含めて議論されてみても良いかもしれませんね。
次回は経営とは切っても切り離せない、ビジネスの【数字】に関わる部分について解説していきます。
後編はこちらから、ぜひお楽しみください。
経営のヒント
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