【心理的安全性 第一回】働きやすい組織の秘訣

皆さんこんにちは、戦略デザインラボ中小企業診断士の岡本です。
さあ今日は「働きやすい組織の秘訣」ですね。皆さん「心理的安全性」という言葉を聞いたことがありますか? この心理的安全性がないと、実は組織がうまく回りません。しかしこれがあると組織は非常にうまく回ります。

それはなぜか? 心理的安全性を高めるにはどうすればよいか? というのをじっくりと学んでいきましょう。

よくある会議の悩み

ではさっそく漫画に進みます。
「…というわけで何か質問や意見はありますか?」と男性が聞いています。何かの会議中ですが、誰も応えてくれません。そして「じゃあこの件はこの案でいきます。ってことでまた来週もみんなよろしく!」と会議が終わりました。
会議を仕切っていた男性は悩んでいるようで、「イマイチ積極性が無いんだよな…」とため息をついています。

そして場面は変わり異業種交流会で男性は名刺交換をしています。「上田ニットの田岡昇です」という事で今回の主人公は田岡昇さんです。
そこへ「おっ昇じゃねーか!」と声をかけられ、田岡さんは「おお!雄吾くん!」と応えていますね。2人は知り合いのようです。

「何してんすかーこんなとこで!」と昇くん。「クライアントの付き合いもあって久々に戻ってきたんだ。それよりお前会社の方はどうなんだ?」と雄吾くんに聞かれ、「まあ順調と言えば順調かな、絶好調とも言えないけど…」と昇くん。
雄吾くんは「訳アリか? ちょっと飲みに行こーぜ!」という事で2人で出かけていきました。

「何悩んでんだよ言ってみろ」と雄吾くんに聞かれ、昇くんは話し始めました。
「事業自体はまあまあうまくいってる。ただ、なんか部署のノリが良くないんだよね。」
「年末から自社ブランドの販売の為に新しい部署を立ち上げたから、軌道に乗せるためにも色々頑張り時なんだけど、イマイチ意見の交わし合いとか良いアイディアが出てこない。」
「やる気がないわけじゃないんだけど、積極性が足りないのかな。」と話しています。

皆さんの会社や部署でもこういうことがよくありませんか? これは会議やミーティングのやり方もありますが、それ以前にこれから出てくる「心理的安全性」という言葉が絡んでくる場合も非常に多いです。

「オレも普段から、面白いアイディアとかあれば遠慮なく言ってもらえるように配慮しているし、社員同士も仲が良い」
「福利厚生も悪くないはずで、なるべく社員へ還元するために新しい賞与制度を取り入れてみたりもしている」
「今後に向けた個人ミーティングも月1でやっているから、話を聞く機会も申し分ないと思っている」
という事ですが、「思いつくことはできる限りやってるけど、もう一歩前進できない。どうしたら…」という悩みを抱えていました。

「いい会社じゃねーか!」と雄吾くんも言っているとおり、確かにこれだけでやってればいい会社ですよね! 最近は「ホワイトすぎて辞めたい」なんてニュースも結構あるように、 実はこういった表面的なものだけではダメなのです。

心理的安全性とは

ここで雄吾くんも言っていますが、「あとは“心理的安全性づくり”かもな」という事で、この心理的安全性とは何なのでしょうか。

知っている方もいると思いますが、簡単に言うと「組織で自分の考えや気持ちを臆することなく誰にでも発言・行動できる状態」です。この「臆することなく」というのがポイントです。

「さっき月1で個人ミーティングやってるって言ったよな?」と雄吾くん。「この心理的安全性がない状態でいくら話を聞いても、結局の本音は話してくれないんだよ」と話しています。

漫画にも「今月は困ったことはなかったか?」と聞いていますが、相手は本心を隠したまま「特になかったです」と。よくある場面かと思いますが、「これ言っていいのかな」「しゃべりたいけどしゃべれない」なんてことがあります。
同じように「遠慮なく意見してくれ」と言ってもなかなか発言がない。これも心理的安全性がないと何も言ってくれないということです。

「せっかくだからどんなケースがあるのか具体例を教えてくれないか? もしかしたら解決の糸口になるかもしれないから」と雄吾くんが聞いているところで今回は終わり、次回からは実際に「どうやって心理的安全性を高めていくか」を解説していきます。

まとめ

では今日のまとめです。
「よくある誤解」→ 働きやすさ・仲の良さ≠本音が言える
ここで大事なのが「心理的安全性」です。「組織で自分の考えや意見を臆せず発言・行動できる環境かどうか」ということです。

実は色々な制度を定めただけでは、この心理的安全性は高まりません。やはり上司と部下などそういった関係に対して、本音を言ってもいいのかどうかという引っ掛かりがあるわけです。この引っ掛かりを取り除くことが心理的安全性を高めるということです。

「心理的安全性とは?」
◆心理的安全性がない状態
・ミスを隠そうとする
・会議中の発言が少ない
・議論が起こりにくい

◆心理的安全性がある状態
・誰にでも臆せず発言できる
・強固な信頼関係を築ける
・報連相がはやくて正確

見ての通り、無いよりも有った方がメリットが大きいですね。だからこそ心理的安全性を高めなければいけないということです。 

最後に

いかがでしたでしょうか? 今日は「心理的安全性」の1つ目の講座ということで、まず「心理的安全性とは何だろう?」そして「心理的安全性を高めることでどんなメリットがあるのか?」をお話いたしました。
次回の講座からは、実際に「心理的安全性を高めるにはどうすればいいか」の具体的な部分に入っていきますので、またそちらもご覧ください。

では今日の講座はここまでとします。また次の講座でお会いしましょう。

心理的安全性

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